ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いや運用するメリットを解説!
目次
はじめに
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に画像や動画、テキスト形式で表示される広告で、ビジュアルで訴求できるのが最大の特徴です。バナー形式で表示されることが多く、バナー広告とも呼ばれます。
ここでは、ディスプレイ広告とリスティング広告の違いや運用方法、メリット・デメリットを解説します。
ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告のことです。 「画像+テキスト」もしくは「動画+テキスト」を組み合わせたバナーで表示されます。ディスプレイ広告は、広告の掲載枠があるWebサイトのコンテンツに応じて表示されるため、コンテンツ連動型広告とも呼ばれています。
単純に広告を掲載するだけでなく、ユーザーの興味に合わせたアプローチができることも魅力のひとつです。1回の表示だけでなく、複数回の表示をすることで徐々に関心を持ってもらうことができ、まだ課題に気付いていない潜在ユーザーに広くアプローチすることが可能です。
ディスプレイ広告とリスティング広告の違い
ディスプレイ広告とリスティング広告の違いは大きく4つあります。それぞれの特徴を知り、効果的な運用につなげる必要があります。
1. 広告形式と掲載場所
リスティング広告は、検索エンジンで検索を行った結果に対してテキスト形式で広告が表示され、ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ上に画像や動画などの形式で表示されます。そのため、ディスプレイ広告はより多くのユーザーに配信することが可能です。
2. アプローチできるターゲット層
リスティング広告は、検索結果に表示されるため、商品やサービスを探しているユーザーに絞った広告配信ができます。一方、ディスプレイ広告は、ユーザーがWebサイトやアプリを閲覧しているときに表示されるため、潜在層のユーザーにアプローチでき、商品やサービスを知ってもらうための広告としても効果的でしょう。
3. クリック単価
リスティング広告は、競合性が高いキーワードではとくにクリック単価が高くなる傾向にあります。そのため、同じ予算でリスティング広告とディスプレイ広告を配信する場合、リスティング広告のほうが高額な費用が必要になるケースが多いです。より多くのユーザーに訴求したい場合は、ディスプレイ広告をうまく活用しましょう。
4. リターゲティング
リターゲティングとは、一度自社のページに訪れた人に向けて、広告の配信を行うターゲティング方法です。既に自社の社名やサービスを検索しページに訪れたことがあるので、高いコンバージョン率が期待できます。リスティング広告は検索されたその時にしか訴求できませんが、ディスプレイ広告は一度だけではなく、訪れてから長い期間後を追って訴求をし続けることが可能です。
ディスプレイ広告とバナー広告の違い
ディスプレイ広告とバナー広告の違いについて詳しく説明します。
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ、動画配信サイトの広告枠に表示される広告のことで、GoogleやYahoo!での配信が代表的です。一方バナー広告は、ディスプレイ広告の一種で、画像や画像とテキストで構成され、サイト広告枠に表示されます。
ディスプレイ広告は、画像や動画、テキストなどを登録でき、自動的に最適化された組み合わせで広告が表示されます。また、レスポンシブディスプレイ広告やイメージ広告、カルーセル広告、ダイナミックディスプレイ広告、動画広告など、バナー広告を含むさまざまな形式があるのも特徴です。
ディスプレイ広告の種類
国内のディスプレイ広告の2つの大きなネットワークとして、Googleディスプレイネットワーク(GDN)と、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDA)があります。それぞれ運用方法が異なりますので、ターゲットに応じて選択することが重要です。
『Googleディスプレイネットワーク(GDN)』
GDNは、Googleが提携している200万以上のウェブサイトに広告を配信することができ、Web上のユーザーの約90%近くにリーチができると言われています。
主な配信先としては、食べログや教えてgoo、YouTubeやGmailなどにも広告を配信することが可能です。
『Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDA)』
YDA(旧YDN)は、Yahoo!JAPANやYahoo!ニュースなど、Yahoo!が運営するサイトを中心に広告を配信することができます。特に、Yahoo!JAPANは、月間で約840億PVを誇る日本最大級のポータルサイトであるため、非常に多くのインプレッションを集めることが可能です。そのほか、Yahoo!知恵袋やクックパッド、NAVER等の提携サイトにも広告配信されます。
企業がディスプレイ広告を導入する理由
企業がディスプレイ広告を導入する理由は、以下のようなメリットがあるためです。
潜在層へのアプローチが可能で、対象層に対して効果的にアプローチできる
検索型のリスティング広告とは異なり、自社の商品やサービスをまだ知らないけれど興味があるかもしれない潜在ユーザーにアプローチすることができます。
豊富な広告フォーマットがあり、広告の訴求力が高い
クリエイティブな表現が可能なため、広告のビジュアルで惹きつけて、企業のブランドイメージを向上させることができます。 ディスプレイ広告では、企業の広告や商品画像、キャッチコピーなどビジュアルでの訴求ロゴが可能です。
広告掲載の競合が少ないため、費用を抑えながら多くのアクセスを得ることが可能
ディスプレイ広告は、検索広告に比べて潜在層向きの広告であるため、利用する広告主も少ない傾向にあります。
広告枠が多く、広告の露出頻度が高いため、ブランド認知度を高めることができる
広告フォーマットが豊富であることに加え、視覚表現によるブランディングができるため、企業のブランド認知度を高めるために重要な役割を果たします。
リターゲティングが可能
すでに興味を示したユーザーに対して再度アプローチすることができます。
ディスプレイ広告のメリット・デメリット
ディスプレイ広告の配信は、メリット・デメリットを確認したうえで、どのように運用すべきかを考える必要があります。
ディスプレイ広告のメリット
視覚的に訴求できる
画像や動画を使用できるため、視覚的に訴求することが強みです。商品の見た目を広告内に掲載することによって、実際に手にしたときのイメージを持ってもらいやすくなります。
潜在層にアプローチできる
悩みが顕在化していない、潜在顧客にアプローチできます。「いつかは購入したい」「購入したいけれど具体的なイメージが浮かんでいない」などの潜在層が広告を見たことで、商品やサービスに興味を持つ人が増える可能性が見込めます。
クリック単価が低い
リスティング広告に比べて、広告費を抑えながら広告を配信することができます。
リマーケティングが可能
興味を持ってくれたユーザーに対して、何度でも広告を打つことができます。
ディスプレイ広告のデメリット
コンバージョンにつながりにくい
潜在顧客に向けた幅広い広告配信となるため、リスティング広告に比べて短期的なコンバージョンに至りづらいことがあります。
繰り返す配信がネガティブな印象を与えることも
主に潜在層に向けて配信されるため、商品理解や検討中のユーザーに効果的ではあるものの、何度も配信することで煩わしさを感じたり、ネガティブな印象を持たれたりしてしまうという危険性もあります。
ディスプレイ広告をつくる手順
ディスプレイ広告を作る手順は以下のとおりです。
STEP1. 目的を明確にする
広告の目的を明確にし、広告のターゲット層や配信期間、予算などを決定します。
STEP2. クリエイティブの制作
広告のビジュアルやテキスト、ボタンなどを制作します。クリエイティブは、広告の訴求力を高めることに重要な役割を果たすため、デザインやコピーにこだわることが大切です。
STEP3. 広告の設定
広告の配信先や配信期間、予算などを設定します。リターゲティングなど、広告の効果を高めるための設定も可能です。
STEP4. 広告出稿
広告を出稿する広告配信サービスを検討し、広告を出稿します。
またクリエイティブの制作に関しては、広告配信サービスのガイドラインに従い、広告の許可基準を満たすことが大切です。
ディスプレイ広告の作成に必要なクリエイティブ要素は以下のとおりです。
- メインイメージ
- メインコピー
- 会社ロゴ
- 誘導ボタン
広告掲載サービスによっても、必要な画像の種類やサイズが異なる場合があるため、事前に確認することが重要です。たとえば、横向き、スクエア、縦向きの3種類のアスペクト比の画像を使用できるGoogle広告の場合、それぞれのアスペクト比に合わせた画像を用意する必要があります。
ディスプレイ広告が向いている商材
ディスプレイ広告と相性が良い商材の特徴を解説します。
低価格で衝動買いしやすい商材
ディスプレイ広告は悩みを自覚していない潜在層も閲覧するため、低単価で衝動買いをしやすい商材と相性が良いと言われます。Webサイトやアプリでたまたま見かけた広告からコンバージョンにつなげるには、ハードルの低さが重要です。認知→欲しいと感じる→購買を決めるまでの判断を一瞬で行わせるためにも、衝動買いに適した商材がマッチします。
検討期間が長期化する商材
ディスプレイ広告は、高価で検討期間が長期化しやすい商材(自動車や注文住宅など)の宣伝にも効果的です。リターゲティングの特性を活かして、離脱したユーザーに何度も広告を見せることで意思を翻す可能性が高まるからです。BtoB向けに高額なITシステムや情報商材などを手がける企業にもぴったりだといえます。なぜなら競合との比較検討に時間をかけ、最善の選択をしようという傾向があるためです。認知獲得が大前提なので、事前にディスプレイ広告で幅広い層に認知拡大を図る戦略は適しています。
検索ボリュームが少ない商材
消費者の認知を得ていない、ネットで検索される機会が少ないなど検索ボリュームが小さい商材にもディスプレイ広告は有効です。今すぐの成約は難しくても、認知拡大のためにユーザーの目にする機会を増やす行為は効果があります。このような商材に検索連動型の広告を出しても高い効果は見込めません。
ディスプレイ広告に向いていない商材
反対に、ディスプレイ広告に向いていない商材もあります。
緊急性が高い商材
水漏れ工事や自動車の修理、引っ越しのような緊急性が高い商材で、ディスプレイ広告を選択するのは不適切です。なぜなら上記のサービスを探すユーザーは急いでいて、指名検索を行う可能性が高いためです。悠長にアプリやWebサイトを眺める余裕はなく、ディスプレイ広告を出稿しても注目を集められません。
高額商材
検討期間が長くない高額商材の場合、シンプルに敷居が高いため、購買意欲が高くない層に情報を発信しても効果は薄くなります。割引キャンペーン期間中のように、誘因性を高める戦略も可能ですが、ダイヤモンドやブランド品などの高価な商材は基本的にディスプレイ広告に不向きです。
初月から利益を狙う商材
ディスプレイ広告はリーチ範囲が広く、クリックしたユーザーの購買意欲は必ずしも高いとは言えません。リードの獲得には効果的かもしれませんが、いきなり売り込みはせず、時間をかけて関係性を築いたほうが中長期的には利益につながる可能性は高いです。リストマーケティングの前段でリード顧客の獲得に注力するときに有効ですが、初月から広告費以上稼ぎたい場面では不向きです。
ディスプレイ広告の運用でよくある失敗
ディスプレイ広告を出稿したが想定した成果が得られないと感じたときは、原因の特定が急務です。経験が浅い担当者が陥りやすい失敗例を紹介します。
1. ターゲティングの精度が低い
ペルソナは具体的に設定し、ターゲットを絞り込む必要があります。Googleのディスプレイ広告には自動ターゲティング設定がありますが、最初から使うのはおすすめできません。狙ったキーワードと関連性が低いWebサイトやセグメント外のユーザーにまで配信する恐れがあるからです。ペルソナは極力一次情報を元に設定するのが鉄則です。インタビューを実施する、または営業やカスタマーサクセスなど顧客接点がある部署へのヒアリングを通じて、精度の高い一次情報を得ましょう。
2. 広告の品質が低い
ディスプレイ広告のクリック率を左右するのはクリエイティブの質です。ニーズが顕在化していない層の興味や関心を惹くには、心に刺さる広告を作れるかどうかが命運を握ります。ユーザーの目はアプリやWebサイトのコンテンツに向いています。質が低い広告=ユーザーの興味を喚起できない広告は利用者の視認性を妨げるとして、配信の数が少なくなる仕組みです。
3. 広告の設置場所が適切ではない
Googleのディスプレイ広告では手動で表示場所を細かく設定できる手動プレースメントと、トピックやキーワードで配信場所が自動で決まる自動プレースメントの二つの方法があります。手動設定では表示先のサイトをURL単位で指定可。自動プレースメントは潜在顧客への幅広いアプローチ向けの施策です。広告の配信設定では「広げた後に絞る」と理想的なターゲティングが実現しやすいため、自動プレースメントの設定後、手動で外したいWebサイトを除外する流れがおすすめです。
4. 配信の頻度が多すぎる
ディスプレイ広告は同じ人に何度も表示される可能性があります。購入に迷う人の背中を押す効果が期待できる反面、表示回数が多すぎるとしつこいと思われ、敬遠される恐れも。同一のユーザーに対して広告が配信される回数をフリークエンシーと呼びます。フリークエンシーが高すぎると不快に思われる可能性が高いので、あらかじめ上限を設定しましょう。
効果的なディスプレイ広告にするためのポイント
ディスプレイ広告を効果的に作成するためのポイントは以下のとおりです。
・目的を明確にする
広告の目的を明確にし、広告のターゲット層や配信期間、予算などを決定します。
・クリエイティブ要素にこだわる
広告のビジュアルやテキスト、ボタンなどを制作します。ビジュアルの考え方やテキストの読みやすさ、ボタンの設置位置や色の選定、ロゴの配置などに注意することが大切です。
・ターゲットのニーズを把握する
広告のターゲット層のニーズや興味関心を捉え、それに合わせた広告を制作します。
・リターゲティングを活用する
リターゲティングを活用して、すでに興味を示したユーザーに対して、ブランドイメージを強化する広告を配信することができます。
・結果を分析する
広告の効果を分析し、改善点を把握することが大切です。
ディスプレイ広告のターゲティング方法
ディスプレイ広告のターゲティング方法には、以下のような種類があります。
キーワード | ターゲティング方法 |
コンテンツキーワード | 表示されるWebページのコンテンツに基づいて、広告を表示する |
プレースメントターゲット | 広告を表示するWebサイトやアプリを指定する |
興味関心ターゲティング | ユーザーの興味関心に基づいて、広告を表示する |
アクションターゲティング | ユーザーの過去の行動に基づいて、広告を表示する |
リターケティング | 過去に自社サイトを訪れたユーザーに対して、広告を表示する |
カスタム対象 | 自社が保有するデータを活用して、広告を表示する |
類似ユーザーターゲティング | 自社の顧客と類似した属性を持つユーザーに対して、広告を表示する |
これらのターゲティング方法を設定することで、より効果的な広告配信が実現します。 なお、ターゲティングの設定方法にはそれぞれの特徴があり、正しい設定を行うためには、広告配信の目的やターゲット層を明確にすることが重要です。また、広告配信の結果を分析し、必要に応じてターゲティングの見直しを行うことも大切です。
上記のような点に注意しながら、ディスプレイ広告を作成してください。また、広告配信サービスのガイドラインを遵守し、広告の許可基準を満たすようにすることも重要です。
まとめ
ディスプレイ広告は、リスティング広告に比べて、低予算で多くのターゲットに届ける広告配信が可能です。一方、コンバージョンにつなげるためには、効果的に運用するための戦略が必要です。
ユーザーの目に留まり、クリックしたいと思わせるにはインパクトのあるクリエイティブを用意することが重要です。結果を出すバナー制作から広告の運用まで、ぜひキナバルのディスプレイ広告サービスまでご依頼ください。
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