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経産省管轄・省エネルギー投資促進に向けた支援施策の一覧まとめ

この記事では、中小企業などを支援するために運営されている、国(経済産業省)管轄の省エネルギー投資促進関連の支援施策について詳しく解説します。

 

ポイントは次の3点です。

  • 省エネ支援策とは
  • 省エネのメリット
  • 経済産業省管轄の省エネルギー投資促進関連支援施策の一覧

 

省エネ支援策とは

中小企業や個人事業主などが、原油高や物価高に対応するために実施する各種の省エネルギー対策を支援するために、国や自治体はさまざまな支援策を運営しています。

支援策の中心となる各種補助金の多くは、国(経済産業省)が管轄しています。

 

省エネのメリット

企業が省エネに取り組むメリットについて解説します。

 

コストダウンが可能

高効率な設備の導入によってエネルギー消費量が削減でき、その結果ランニングコストを抑えることができます。原油高・物価高に苦しむ多くの企業にとって省エネは重要なポイントです。

例えば、太陽光発電設備を導入して自社で使用することで、電力会社からの電力購入費を削減することができます。

 

企業価値が向上

カーボンニュートラルは世界の潮流です。こうした状況下、省エネを推進して脱炭素化に貢献することは企業価値の向上につながります。

近年、企業に対する評価基準として脱炭素化への取り組みに対するポイントが高い状況であり、省エネへの取り組みによって投資家からの評価向上や企業の競争力強化も期待できます。

 

設備の安定稼働を実現

設備の清掃や交換といったメンテナンスも省エネ対策の一つです。

定期的なメンテナンスによって自社設備の負荷を軽減できれば、省エネだけでなく、設備の安定稼働や長期運用が可能となります。

 

経済産業省管轄・省エネルギー投資促進に向けた支援施策の一覧

経済産業省が管轄する、主な省エネルギー関連投資促進に向けた支援策の一覧を取り上げて詳しく解説します。

なお、各支援施策の詳細については下記の公式サイトをご参照ください。

参照:経済産業省・資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」

 

省エネルギー投資促進に向けた支援補助金

事業者が「先進設備・システム」と「オーダーメイド型設備」の導入を推進し、省エネ設備への入れ替えを実施する際に支援するものです。

汎用的な設備(ユーティリティ設備・生産設備)の場合、簡易な手続きで申請可能な区分(指定設備導入事業)も準備されています。

 

事業区分ごとの補助率・補助上限額

【先進事業】

補助率

補助額

中小企業:2/3

大企業:1/2

下限:100万円/年度

上限:15億円/年度(非化石:20億円/年度)

 

【オーダーメイド型事業】

補助率

補助額

中小企業:1/2

大企業:1/3

先進事業と同一

 

【指定設備導入事業】

補助率

補助額

1/3

下限:30万円/年度

上限:1億円/年度

 

【エネルギー需要最適化対策事業】

補助率

補助額

中小企業:1/2

大企業:1/3

下限:100万円/年度

上限:1億円/年度

 

省エネルギー設備投資に係る利子補給金助成事業費補助金

事業者が省エネルギー設備の新設・増設など、省エネに関する取り組みを通じて支出する際、融資された金額にかかる利息の一部を補給(支援)するものです。

具体的には、企業が省エネ設備を新しく設置したり、既存の設備を増やしたり、物流拠点をまとめるための設備を導入したり、エネルギー管理システムを導入したりする場合に、民間の金融機関から融資を受けることができます。その際に、その融資の利子を補助します。

利子補給率

最大1%(貸付利率が1.1%未満:▲0.1%)

利子補給期間

最大10年間

利子補給金支払い

年2回

 

中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業

省エネの専門家が工場・事務所や店舗、病院や福祉施設、学校や宿泊施設などを訪問し、エネルギーの無駄づかいや省エネの状況をチェックします。

そして、コスト削減につながる設備の運営改善や、コスト削減効果が高い設備への更新に活用できる補助金を確認し、提案するものです。

 

診断料金

【省エネ診断コース】

まるっとプラン(3設備の診断)

16,500円

設備単位プラン

1設備:5,500円

2設備:11,000円

 

【効果測定コース】

まるっとプラン(3設備の診断)

11,500円

設備単位プラン

1設備:3,850円

2設備:7,700円

 

中小企業等に対するエネルギー利用最適化推進事業費補助金

省エネルギー診断や省エネ相談地域プラットフォームの構築など、中小企業が省エネ活動を推進するために必要な支援を行うものです。

 

対象事業

【地域プラットフォーム構築事業】

「省エネお助け隊(*)」が、中小企業の省エネに関する取り組みに対して、現状把握から改善まできめ細やかなサポートを行います。

(*)経済産業省資源エネルギー庁の「地域エネルギー利用最適化取組支援事業」で採択された地域密着型の省エネ支援団体

 

【省エネ最適化診断】

「省エネ診断」による使用エネルギー削減に加え、「再エネ提案」を組み合わせることにより、脱炭素化を加速するサービスです。

 

【IoT診断】

省エネ最適化診断を受診した事業者が、更に深堀りした省エネを実施したい場合に対応するサービスです。

 

【講師派遣】

省エネをテーマに含むセミナー等に無料で講師を派遣するものです。

 

高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金

家庭のエネルギー消費量の中で大きな割合を占める給湯分野で、効率の高い給湯器の導入支援を行い、その普及を通じて「2030年度におけるエネルギー需給見通し」の達成に貢献することを目的とする事業です。

 

補助額(予定)

ヒートポンプ給湯器(エコキュート)

5万円/台

ハイブリッド給湯器

同上

家庭用燃料電池

15万円/台

 

住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費補助金

下記に挙げる3つの施策について支援するものです。

 

【ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の実証支援】

ZEHの普及目標を掲げたZEHビルダーが建築する次世代ZEH+(*))や、超高層の集合住宅でのZEH化の実証を支援します。

(*)省エネの更なる深掘りおよび太陽光発電など、更なる自家消費の拡大を目指すZEH

 

【ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)の実証支援】

ZEBの設計ノウハウが確立されていない民間の大規模建築物(新築:1万m2以上、既築:2千m2以上)を対象として、 先進技術の組み合わせによるZEB化の実証を支援し、成果を期待します。

 

【次世代省エネ建材の実証支援】

既存住宅における消費者のニーズに対応することで、省エネ改修が期待される高性能の断熱材や、快適性向上に役立つ蓄熱・調湿材の効果に関する実証を支援します。

 

AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金

事業者が、運輸部門の省エネ化を目指してAIやIoTなどの新技術を活用し、サプライチェーン全体の輸送効率化を図る取り組みを支援します。

そして、トラック事業者が貨物の運送状況を荷主に提供できる車両動態管理システムを導入し、トラック事業者と荷主が連携して輸送の効率化を目指す取り組みを支援します。

また、革新的な省エネ船舶の実証を支援するほか、燃費の改善に向けて自動車の不具合情報把握が可能なツールの導入を支援するとともに、適切な整備が行われる環境を支援します。

 

脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム

資源エネルギー庁、NEDO(*)が管轄する「省エネルギー技術戦略」に基づき、革新的な省エネ技術の実装に向けて、実用化に近いテーマから長期的なテーマにわたるまでの技術開発を実施し、シーズの発見から事業化まで支援を行うものです。

(*)国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

 

まとめ

省エネ支援策の意味と省エネのメリットや、経済産業省による省エネルギー投資促進関連の支援施策について詳しく解説しました。

企業にとって省エネ対策は緊急の課題であり、またその取り組みは非常に有意義なものです。

この記事を読んで、省エネに関する支援施策を活用できる事業者は是非お役立てください。