電話折り返しのマナー 折り返すときのポイントと会話の例文
ビジネスシーンでは、電話の折り返しが必要になることが多々あります。相手の都合を考慮しながら、早急に対応することが大切です。電話の折り返しが遅れたり、伝言や留守電の内容を把握しないで電話をかけたりすると、信頼を損なうおそれがあります。
電話の折り返しでは、スピードと丁寧さ、一般的なマナーを守ることが求められます。
目次
電話折り返しのマナー4選
電話の折り返しは、ただかけ直せばよいという訳ではありません。相手が電話を取りやすい時間を考え、スムーズに話ができるように配慮しましょう。
早めに折り返しの電話を入れる
電話の折り返しは、できるだけ早くするのが基本です。ただし、留守番電話のメッセージや取次の伝言を確認せずに電話をかけるのは避けましょう。
伝言が残っている場合、電話をかけ直す前に内容を確認します。電話の折り返しが難しい場合、メールで連絡するのも1つの方法です。電話ができないことをお詫びし、いつ頃折り返せるのか、またメールでの連絡で差支えがないかなどを書いて送ります。
忙しい時間帯に電話をしない
相手が電話に出やすい時間帯に折り返します。職種やこれまでのやり取りの時間帯から判断するのがおすすめです。
また、電話を折り返す際、相手企業の営業時間内にかけるのがマナーです。個人用の携帯電話であっても、営業時間外にかけるのは避けます。始業直後や終業間際、昼休憩中も控えたほうがよいでしょう。
メールで済ませない
電話で連絡があった場合、相手と同じく電話で返事をするのが基本です。「メールで返信すればよい」と安易に考えていると、「失礼な人だ」と思われるかもしれません。
すぐに電話の折り返しができない時や、資料などがあったほうがよい場合、メールに一言添えるとよいでしょう。
例えば、次のような言葉を書きます。
- 電話の折り返しが困難な場合:
折り返しのお電話ができず申し訳ございません。
明日、あらためて◯時頃にお電話させていただきます。 - 電話を折り返す前に資料を送る場合:
先程はお電話をいただきありがとうございました。
〇〇の件につきまして、先んじて資料をお送りいたします。
あらためて明日お電話いたしますので、お気づきの点がございましたらお申し付けください。
相手から電話の希望時間や、メールでのやり取りで差支えないと返信が来ることもあります。臨機応変に対応しましょう。
電波状況や周囲の環境に配慮する
慌てて電話を折り返すと、まわりの雑音で相手の声が聞き取れなかったり、電波状況が悪く途中で電話が切れてしまったりすることがあります。
何度も聞き返したり電話をかけ直したりすると、相手に迷惑をかけてしまいます。特に、次の場所は避けるようにしましょう。
- BGMが大きい店内
- 交通量が多い道路の近く
- 電波状況が悪い地下
- 人が行き交う駅
自分自身が落ち着いて電話できる場所を探しましょう。
電話折り返しの前に必要な事前準備
電話での連絡をスムーズにするためには、事前準備が必要です。電話の折り返しでは、「聞き取れなかった」「聞き間違えた」などのミスが起こりやすいため、注意が必要です。
伝言や留守電の内容を把握する
電話の折り返しでは、相手の用件をある程度把握しておく必要があります。取次の伝言や留守電にメッセージが残されている場合、電話をかけ直す前に必ず確認しましょう。伝言を確認しないでかけ直してしまうと、相手はまた一から話をしなければならず、相手からの信頼を損ねるおそれがあります。
電話をかけた際、次のような一言を添えるのがお勧めです。
- 「先ほどは〇〇の件でお電話をいただきありがとうございます」
- 「伝言を確認したしました」
電話の用件を把握していることを相手に伝えることができます。
メモの準備をする
電話応対では、相手の話をメモするのが基本です。特に、外出先から電話を折り返す場合、まわりの雑音で聞き取りが難しいことがあります。
確実に話の内容を把握するためにメモを取り、必要であれば復唱して情報が正しいかどうか確認しましょう。
電話をかける場所を選ぶ
外出先から電話を折り返す時に苦労するのが、場所選びです。「すぐに折り返したいのに、適切な場所がない」ということもよくあります。電波状況やまわりの環境に配慮する他、メモが取れる場所を確保することも大切です。
適切な場所が見つからない場合、無理にかけ直さず、メールで何時頃に電話が可能なのかを伝えておくのも1つの方法です。
相手が不在の時の対応を考える
電話を折り返した際、相手が電話に出られないこともあります。相手が不在の場合、次の対応を取ります。
【会社への折り返し】
- 伝言を頼む
- こちらからかけ直す
- 折り返しの電話をお願いする
【携帯電話への折り返し】
- 留守電にメッセージを残す(用件や折り返しが必要かどうかなど)
- 留守電にならなければ、メールで用件を伝える
- あらためてかけ直す
用件から緊急性があるかどうかを判断し、適切に対応することが大切です。
【会話例】電話折り返しの基本例文
電話の折り返しに苦手意識を持つ方は、会話の例文に沿って話してみるとよいでしょう。
電話応対に慣れるまで、手元に基本会話のテンプレートを用意しておくことをお勧めします。
基本的な会話例
【会社への折り返し】
「〇〇株式会社の◎◎と申します。お世話になっております」
「恐れ入りますが、●●様はいらっしゃいますか?」
<相手が出たら>
「〇〇株式会社の◎◎でございます。お世話になっております」
「先ほどはお電話に出られず申し訳ございませんでした」
【携帯電話への折り返し】
「〇〇株式会社の◎◎でございます。お世話になっております」
「〇〇の件でお電話をいただきありがとうございます」
「すぐにお電話ができず申し訳ございませんでした。今、お時間よろしいでしょうか?」
相手が不在で、改めて電話することを伝える例文
【会社への折り返し】
「あらためてお電話いたします。何時頃にお戻りでしょうか?」
「では、〇時頃にお電話させていただきますので、その旨をお伝えください」
【携帯電話への折り返し】
「あらためてお電話いたします」
※「〇〇の件につきまして、メールで簡単に回答いたしますので、お手すきの際にご確認ください」
※必要に応じて使用
相手が不在で、伝言を残したい時の例文
【会社への折り返し】
「恐れ入りますが、〇〇様に伝言をお願いできますでしょうか?」
※「同じ内容をメールでもお送りいたしますので、その旨もお伝えください」
※必要に応じて使用
【携帯電話への折り返し】
「お世話になっております。〇〇株式会社の◎◎です。先ほどはお電話いただき、ありがとうございました」
「〇〇の件につきまして、……」
※「詳しい内容はメールでお送りいたしますので、お手すきの際にご確認ください」
※「あらためてお電話いたします」
※必要に応じて使用
相手の声が聞き取れない時の対応
「少々お声が遠いようです。恐れ入りますが、もう一度お願いできますでしょうか」
「こちらの電波状況が悪いようです。申し訳ございませんが、もう一度おっしゃっていただけますか」
「念のため、もう一度お願いできますでしょうか」
日時、場所、数字、名前などは、確実に聞き取らなければなりません。相手の声が聞き取れたとしても、ミスを防ぐために復唱するのが効果的です。
電話折り返しで使えるクッション言葉
クッション言葉は、依頼や断り、申し出などをする際に使用されます。電話でクッション言葉を効果的に使うことで、印象がアップします。
クッション言葉を使用するメリットは、相手が内容を受け入れやすくなることです。折り返しの電話でも使用できるクッション言葉は、次のとおりです。
クッション言葉 | 例文 |
恐れ入りますが 大変恐縮ですが |
恐れ入りますが、伝言をお願いできますでしょうか |
お手数をおかけしますが | お手数をおかけしますが、お電話いただけますでしょうか |
ご面倒をおかけしますが | ご面倒をおかけしますが、よろしくお願いいたします |
差し支えなければ | 差し支えなければ、〇時頃にお電話いたしますが |
申し訳ございませんが | 申し訳ございませんが、もう一度お願いできますでしょうか |
よろしければ | よろしければ、再度お電話差し上げます |
電話折り返しのマナーを身につけ、スムーズな対応を
電話の折り返しで大切なことは、相手への配慮と落ち着いて話せる時間、場所を確保することです。
ビジネスでは、スムーズな電話応対が求められます。臨機応変に対応することで、取引先や顧客との信頼関係が築けるでしょう。
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