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HubSpotとは?マーケティング・営業・カスタマー管理を一元化できる“万能CRM”の実力

近年、企業の「顧客とのつながり方」は大きく変化しています。メールや電話だけでなく、Webサイト・SNS・チャット・セミナーなど、接点が多様化したことで、情報が部門ごとに分断されやすくなりました。

「マーケティング部は見込み客を集めているのに、営業がうまく引き継げない」「サポート部門が顧客の履歴を把握できない」といった課題は、多くの企業が直面しています。

こうした状況を解決するツールとして、いま注目を集めているのがHubSpot(ハブスポット)です。世界中の企業で導入が進むHubSpotは、マーケティング・営業・カスタマーサポートを一元管理できる“万能CRM”として、高い評価を得ています。

本記事では、HubSpotの基本機能から中小企業に選ばれる理由、導入時の注意点まで、ビジネスの現場で役立つポイントをわかりやすくご紹介します。

 

 

HubSpotとは何か?無料でも使える統合マーケティングツール

「HubSpot(ハブスポット)」は、マーケティング・営業・カスタマーサービスを一元的に管理できるCRMプラットフォームです。世界120か国以上で利用され、日本国内でも導入が急速に進んでいます。

CRM(顧客関係管理)ツールのひとつとして知られていますが、単なる顧客情報管理にとどまらず、見込み客の獲得から営業プロセス、アフターサポートまで、ビジネスのあらゆるフェーズを一体化できる点が大きな特徴です。

HubSpotの最大の魅力は、「無料で始められること」。

多くのCRMやMA(マーケティングオートメーション)ツールは初期費用やライセンス費用がかかりますが、HubSpotは無料プランでも基本的なCRM機能やメールマーケティング、チャット機能などを利用することができます。

まずは小規模なチームやスタートアップでも、導入のハードルを感じることなく試せる仕組みになっています。さらに、無料プランから有料プランへと段階的に拡張できるため、企業の成長フェーズに合わせて柔軟に使い方を変えられる点も魅力です。

 

HubSpotでできること一覧(CRM/MA/SFA/CMS)

HubSpotは「オールインワン型」のビジネスツールです。大きく分けると、次の4つの領域をカバーしています。

領域 主な機能 目的
CRM(顧客管理) 顧客情報の一元管理、取引・タスク・
メール履歴の記録
顧客との関係性を
可視化
MA
(マーケティング
オートメーション)
フォーム作成、リードスコアリング、
メール配信、自動化ワークフロー
見込み客の育成と獲得
SFA(営業支援) パイプライン管理、見積書作成、
営業活動の進捗可視化
商談・成約率の向上
CMS(コンテンツ管理) Webページ作成、SEO最適化、
ABテスト
自社サイトを
マーケティング資産化

この4つが統合されていることで、部門間の情報共有がスムーズになり、「マーケティングが生んだリードを営業が活用し、カスタマーサポートが継続的に関係を築く」という理想的な流れを実現できます。

たとえば、HubSpotで作成した問い合わせフォームから登録された顧客情報は、自動的にCRMに登録されます。そのまま営業担当者が商談を進め、成約後はサポートチームがフォローアップ――という一連の流れが、すべて同じプラットフォーム上で完結します。

 

HubSpotが中小企業にも人気な理由

HubSpotは、グローバル企業だけでなく、中小企業やスタートアップからも高い支持を得ています。その理由はいくつかあります。

① 無料で始められる拡張性の高さ

前述のとおり、HubSpotは無料プランでも多くの機能を利用できます。CRM、フォーム、チャット、メール配信といった「最低限必要な仕組み」が最初から揃っているため、ゼロから構築する必要がありません。

② 操作が直感的でわかりやすい

多くのCRMやMAツールは専門知識が必要ですが、HubSpotはUI(操作画面)がシンプルで、初めて触る人でもすぐに使い方を理解できます。英語が苦手でも日本語化が進んでおり、国内サポートも充実しています。

③ 他ツールとの連携が豊富

HubSpotは、Google Workspace、Slack、Zoom、LINEなど、外部ツールとの連携機能が豊富です。既存の業務環境を大きく変えずに導入できるため、ITリテラシーが高くないチームでもスムーズに定着します。

 

無料版と有料版の違い

HubSpotは「無料プラン」から始めて、必要に応じて有料プランを追加できる仕組みになっています。有料版は「Hub(ハブ)」と呼ばれる機能グループ単位で選択でき、主に以下の5種類があります。

Hubの種類 主な機能 無料プランとの違い
Marketing Hub メールマーケティング、自動化、
広告分析
スコアリング・
ABテストなど高度なMA機能
Sales Hub 営業パイプライン、見積書、
自動リマインド
チーム間共有・自動化機能が強化
Service Hub 問い合わせ管理、チケット、
アンケート
カスタマーサポート機能の充実
CMS Hub Webページ作成、SEO分析 カスタムデザインやABテスト可能
Operations Hub データ同期、自動更新、
レポート作成
高度なデータ統合と自動化

無料プランは“試すため”には十分な内容ですが、本格的なマーケティングや営業活動を展開する際には、有料Hubを組み合わせることで最大限の力を発揮します。

特に中小企業では、「Sales Hub」と「Marketing Hub」を中心に導入し、顧客獲得から成約、フォローアップまでの一連のプロセスを自動化するケースが増えています。

 

導入前に知っておきたい落とし穴と活用のコツ

HubSpotは非常に多機能ですが、導入時にはいくつか注意すべきポイントがあります。

落とし穴1 全機能を使いこなすのは難しい

HubSpotは機能が豊富な分、最初からすべてを使いこなそうとすると混乱しがちです。特に無料プランでも設定項目が多く、「どこから手をつければいいか分からない」という声も少なくありません。
まずはCRM(顧客情報管理)を中心に運用を始め、徐々にMAやSFA機能を広げていくのが現実的です。

落とし穴2 無料版ではデータ制限がある

無料プランは非常に優秀ですが、登録できるユーザー数やレポート数に制限があります。営業やマーケティングチームの人数が増えると、早い段階で有料版への移行が必要になることもあります。

落とし穴3 設定と戦略の設計が重要

HubSpotの価値を最大化するには、「誰に」「どんなプロセスで」「どうアプローチするか」という戦略設計が欠かせません。単にツールを導入するだけでは成果は出にくく、リード獲得・育成・営業・サポートの全体設計を考える必要があります。

 

活用のコツ HubSpotを“チームの共通言語”にする

HubSpotはツールであると同時に、“チームの情報基盤”です。営業担当、マーケティング担当、カスタマーサポートが同じデータを見て、顧客の行動を理解する――その状態を作ることで、顧客対応の質が格段に向上します。

たとえば、マーケティング担当が送ったメールを顧客が開封したかどうかを、営業担当がリアルタイムで確認できる。サポートチームは、過去の商談履歴を見て、より的確な対応を取る――こうした連携がHubSpotの最大の強みです。

 

まとめ HubSpotは“育てるCRM”である

HubSpotは、企業の成長に合わせて機能を拡張できる「育てるCRM」です。最初は無料プランで基本を押さえ、次第に自社の課題や目標に合わせて機能を追加していく。その柔軟さが、スタートアップから大企業まで幅広く選ばれている理由です。

「マーケティング・営業・顧客サポートをつなぐ」――このHubSpotの思想は、単なるシステム導入ではなく、組織の“顧客志向”を育てるための仕組みともいえます。

もし今、顧客情報が部署ごとに分散していたり、営業プロセスの可視化に課題を感じているなら、HubSpotを一度試してみる価値は十分にあるでしょう。