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データマイニングとは?基本からわかりやすく解説

データマイニングってよく聞くけど、実際何なの?ビジネスに活かせるの?そんな疑問を持つ方々へ。この記事では、データマイニングの基本から応用までをわかりやすく解説します。

 

  1. データマイニングの概要と定義
  2. 代表的なデータマイニング手法
  3. データマイニングの活用方法と応用

 

データマイニングとは

データマイニングは、大量のデータから有益な情報を発見する手法です。ビッグデータの時代において、企業や行政が蓄積する情報量は爆発的に増加しています。この膨大なデータから価値ある情報を抽出し、新たな知見を得る手法として、データマイニングが注目されています。

 

データマイニングの概要

データマイニングは、統計学、機械学習、パターン認識といった分野を組み合わせた技術です。これらを駆使して大量のデータに隠された規則性や相関関係を見つけ出し、ビジネスや科学研究に役立つ予測モデルを構築します。具体的には、顧客データから購買傾向を分析したり、SNSの投稿データから流行を予測したりするなど、多岐にわたります。

 

知的発見のプロセス(KDD)とデータマイニング

データマイニングは、「知識発見のプロセス(KDD: Knowledge Discovery in Databases)」の一つとしても知られています。知識発見のプロセスの目的は、データの前処理、変換、モデリング、評価などの工程を経て、意思決定をするための知識を得ることです。

簡単に言えば、データマイニングは、大量のデータから隠れたパターンを見つけ出し、未来予測や問題の解決策を図るための手法です。

 

データマイニングが注目される理由

近年データマイニングが注目される理由は、データの収集と処理が容易になったことにあります。インターネットの普及により、SNS、ECサイト、センサーデバイスなどから得られるデータ量が飛躍的に増加しました。また、コンピュータの処理能力の向上とデータストレージコストの低下が、大規模な分析を可能にしています。

経済産業省や国立情報学研究所などの公的機関も、データマイニングの重要性を認識し、データ駆動型経済の推進やデータ活用技術の研究開発を支援しています。

・参照元:情報大航海プロジェクト 【経済産業省】

・参照元:戦略的創造研究推進事業 さきがけネットワーク研究課題「人流ビッグデータによる地球規模の課題解決のための情報学と社会科学の融合基盤構築」

 

データマイニングの分析手法

データマイニングでは、さまざまな分析手法が用いられます。ここでは、特に代表的な分析手法について説明します。

 

クラスタリング

クラスタリングは、似た特性を持つデータをグループ化する手法です。この手法は、顧客セグメントの作成や市場の細分化などに有効です。例えば、消費者の購買行動をもとに似た嗜好を持つ顧客グループを特定することができます。

 

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は、ある事象が発生する確率を予測するために使用されます。主に、二つの結果(例えば、購入する/しない、クリックする/しない)の関係をモデリングする際に利用可能です。マーケティング分野での顧客の反応予測に役立ちます。

 

ABC分析

ABC分析は、物事を重要度によって分類する手法です。例えば、売上に大きく貢献する顧客(A類)、そこそこ貢献する顧客(B類)、貢献度が低い顧客(C類)に分け、リソースを最適化します。在庫管理や顧客管理などに応用できます。

 

マーケット・バスケット分析

マーケット・バスケット分析は、顧客が一緒に購入する商品のパターンを分析する手法です。これにより、商品の配置を最適化したり、関連商品の提案が可能になります。小売業では、マーケット・バスケット分析によって売上増加につながる施策が多く実施されています。

 

データマイニングのメリットとデメリット

データマイニングは、自社が直面する課題を解決する強力なツールです。しかし、メリットとデメリットがあります。

 

データマイニングのメリット

1.顧客満足度の向上

顧客データから購買行動や嗜好を理解して、ターゲットに合った製品やサービスを提供することで、顧客満足度を高め、収益性を向上させることが可能です。

 

2.市場のトレンド発見

大量のデータから市場のトレンドを早期に発見し、新たなビジネスチャンスを捉えることができます。

 

3.リスク管理の強化

特定のリスクパターンを識別し、予防措置を講じるのに役立ちます。

 

データマイニングのデメリット

1.誤った解釈の可能性

データの分析には専門知識が必要であり、結果を正しく理解するためには、分析者のスキルと経験が重要になります。

 

2.高いコストと時間

大規模なデータの分析には、高い費用や専門的な知識が必要です。また、有意義な結果を得るまでに時間がかかる場合があります。

 

3.プライバシーへの懸念

個人情報の分析は、プライバシー侵害のリスクを伴います。個人情報の取り扱いに関する法律や規制を遵守することが不可欠です。

 

データマイニングの実践例

ここでは、データマイニングが実際にどのように活用されているか、三つの業界を取り上げて具体例を解説します。

 

金融業界におけるクレジットカード不正利用の検知

金融業界では、データマイニング技術を活用して、クレジットカードの不正利用を検知しています。過去の取引データを分析することで、普段と異なるパターンを自動的に識別することが可能です。この技術により、不正行為を迅速に発見し、損失を最小限に抑えることができます。

 

小売業におけるマーケティング施策

小売業界では、データマイニングを用いて顧客データを得ています。購買履歴や行動パターンを分析することで、顧客満足度の向上やロイヤルティの強化、そして売上の増加に繋がります。具体的には、顧客毎に興味を持ちそうな商品をリコメンドしたり、プロモーションを行うことが可能です。

 

製造業における設備管理

製造業界では、データマイニング技術を活用して設備の保守管理を最適化しています。機械のセンサーから収集されるデータを分析することで、故障の前兆を検知し、予防保全を行うことが可能です。分析したデータから予期せぬダウンタイムを減らし、生産効率が向上します。また、長期的には、保守費用の削減や設備寿命を延ばすこともできます。

 

機械学習と統計分析

データマイニングで用いられる代表的な手法として、「機械学習」と「統計分析」があります。

 

仮説無しでデータ分析をする「機械学習」

機械学習は、データから自動的にパターンを学習し、学習結果を新しいデータの分析に適用する手法です。機械学習は、データが大量にある場合や、複雑なパターンを見つけ出す時に有効です。

《応用例》

ソーシャルメディアのデータからユーザーの興味や行動パターンを把握し、パーソナライズされた広告やコンテンツを提供する。

 

仮説に基づいて検証する「統計分析」

統計分析は、データに関する仮説を立て、その仮説が統計的に有意かどうかを検証する手法です。特定の関係性を分析したい場合や、特定の現象が偶然に起こったものなのか、それとも何らかの傾向に基づいているのかを判断する場合に特に有効です。

《応用例》

医療研究において、特定の治療法が患者に与える影響を分析し、有効性を統計的に検証する。

これらの手法を適切に組み合わせることで、効果が高まります。機械学習は広範囲なデータから未知のパターンを発見するのに優れており、統計分析はそのパターンや関係性が偶然によるものではないことを検証できます。

 

データマイニングの具体的な手順

ここでは、データマイニングの基本的な手順とポイントを解説します。

 

1.データの収集

どのようなデータが必要で、どこから入手できるかを明確にします。データ収集の際には、データの質、完全性、関連性を考慮することが重要です。

 

2.データの加工・整理

収集したデータは、そのままでは分析に適さない場合が多いため、データの削除や補完、形式を変更する必要があります。この段階でデータを正確に理解することも重要です。

 

3.データの分析

分析の目的に応じてクラスタリング、ロジスティック回帰分析、ABC分析、マーケット・バスケット分析などの手法を選択します。複数の手法を試して、最も良い結果をもたらす手法を選択することが重要です。

 

データマイニングの注意点

データの可視化と特徴量の選択

データの可視化は、分析の方向性を定める上で非常に有効です。可視化によって、データのパターン、異常値、関連性などが明確になり、これらの洞察をもとに特徴量を選択することができます。特徴量の選択は、分析の精度を大きく左右するため、データの特性をよく理解した上で適切な変数を選ぶことが重要です。

 

特徴量とは(パターン1)

特徴量とは、データ分析や機械学習において、データセット内の個々の情報を指します。細分化した情報が、分析や予測モデルの作成に使用されるデータの属性や変数です。例えば、人の年齢、身長、体重などが特徴量になります。データから有用な結果を引き出すために、関連性の高い特徴量を選択し、適切に処理することが重要です。

 

特徴量とは(パターン2)

特徴量とは、データの中から選んだ、分析や判断に役立つ具体的な情報です。例えば、リンゴを分類するときに色や大きさ、形など、対象の見た目を説明するために選ぶ情報が特徴量です。選定した情報を使って、リンゴの種類や新鮮かどうかを判断します。

 

有効データの見極め

すべてのデータが有用ではありません。データの質、関連性、新鮮さを評価し、目的に合致するデータを選別することが重要です。準備段階で時間をかけ、精度の高いデータセットの構築に努めることで、分析結果も向上します。

データマイニングを行う際には、これらの点に留意し、計画的に進めることが成功の鍵になります。

 

まとめ

データマイニングの概要から手順まで幅広く解説しました。以下に要点をまとめます。

 

  1. 大量のデータから有益な情報を発見する手法
  2. さまざまな分析手法がある
  3. メリットとデメリットを理解する
  4. データの可視化と見極めが重要

 

データマイニングは、新しい発見やビジネスチャンスを生み出す可能性を秘めています。この記事が、データマイニングを実践する第一歩となることを願っています。