「お茶」でつながるWebサイト
私たちの日常生活の中で欠かすことができない「お茶」。
水分補給から、食事のおとも、お客様へのおもてなしといった様々な場面で最も登場する飲み物と言えるでしょう。
まずお茶を淹れるところから1日が始まる人もいるでしょうし、仕事の合間に疲れをとるためのアイテムとして大切にしている人もいるでしょう。
日常の一コマとしての相棒的な役割だけでなく、ビジネスクラスや高級旅館のウェルカムドリンクとして恭しく提供されることもあります。その際にはスタッフが銘柄を強調して伝えることも。
水に準ずる飲料として私たちの暮らしの中に溶け込んでいるかと思えば、向かい合う人に対して敬意を伝える手段となることもあり、それぞれの場面に応じて存在感が変幻自在に。
だからこそ、お茶は何かを生み出したり発信したりする際の起点となり得るのでしょう。
私が惹かれた、お茶に関係するWebサイトを紹介します。
・CHAGOCORO(茶心)
「文化をインスパイアするお茶メディア」である「CHAGOCORO」というWebサイト。
ページのトップでは、「音楽を聴くように、お茶を選ぼう。」という言葉とともに「the brew note」というページが表れ、クリックするとまるで音楽のプレイリストのような画面に。
一見お茶の紹介とはわからないような、多様なジャケットの中を覗いてみると、お茶を愛する人とそれぞれのお茶にまつわるストーリーが綴られています。
お茶を淹れている場面の動画を見ることができ、さらにそのお茶を購入することもできるのです。
茶農家や茶問屋を営む方から歌手のUAさんまで、お茶を介して発信したいことのある人たちによる表現の場となっています。
お茶を紹介するだけでなく、お茶を通じて出会いや文化を通わせあうメディアというのは、他にはない発想で面白いと感じました。
・美濃加茂茶舗
住所:愛知県西区那古野2丁目14-1 なごのキャンパス
「美濃加茂茶舗」は、株式会社茶淹(ちゃえん)が展開する日本茶ブランド。
美濃焼に代表されるように、茶湯文化の隆盛期に茶碗の一大ブランドの産地として栄えた美濃地方。
また、岐阜県東白川村は「白川茶」の発祥の地です。
Webサイトでは、お茶を軸としたさまざまなサービスが紹介されています。
私が気になったのは、「CHAPTER」と名のついた湯のみ。
“いい仕事は、いい「ひと区切り」から”をキャッチフレーズとした、リモートワーク時代の新しいプロダクトです。
デスクで一人分のお茶を淹れるという一連の動作を、スムーズに行えるように作られています。デザインは従来の湯のみのほっこり感を残しつつもスマートでスタイリッシュ。
歴史あるお茶ゆかりの地において、「故(ふる)きを温(たず)ね、新しきを知る」を形にしたアイディアが生み出されていることが興味深いです。
・お茶のはまだ
住所:鹿児島県南九州市知覧町郡17385
鹿児島県南九州市に店舗を持ち、名産の知覧茶を販売する「お茶のはまだ」。
拠点としている南九州市は、日本の市町村の中では緑茶の生産が第一位なのだとか。(都道府県では、鹿児島県は静岡県に次いで全国二位)
お茶の栽培に適した恵まれた自然環境で、良質で豊富な品種の茶葉が生まれています。
Webサイトにはお茶にまつわる様々な知識を得ることができるページが用意されています。『お茶を嗜む』のページでは、お茶の淹れ方講座や正しい保管方法などが、親しみやすいイラストとともに丁寧に解説されています。
また、「茶師」と呼ばれるお茶を創る職人の方の存在についても詳しく紹介され、その繊細な仕事の工程を知ることができます。
お茶をより多くの人に深く知ってもらいたいという思いと、製造に携わる人々へのリスペクトが感じ取れます。
千利休が茶の湯で人との出会いを大切にしたように、お茶の時間を共に過ごすことで相手との距離が近くなれるような、同時に自分とも向き合えるような、不思議にも感じられる作用がお茶にはある気がします。歴史を深掘りしたり、その延長線を作り上げたりする縦の軸、広く投げかけたり共有したりする横の軸。
お茶は、私たちがつなげていくことも、私たちをつなげてくれることもある文化といえます。
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