コンテンツSEOとは?目的やメリット、コンテンツ制作の手順を解説!
目次
はじめに
SEO対策を行う上で、欠かせない施策が「コンテンツSEO」です。しかし、コンテンツSEOの特性を十分に理解しないまま着手し、思うような効果が出ずに頓挫してしまうケースも少なくありません。
サイト運営を行う方が知っておくべきコンテンツSEOの必要性やメリット・デメリット、コンテンツ制作の具体的な手順、成果を上げるためのポイントまで解説します。
コンテンツSEOとは
コンテンツSEOとは、内部対策・外部対策に並ぶSEO対策の1つです。
ユーザーの検索意図を満たした良質なコンテンツを作ることで、検索結果の上位表示を目指します。
コンテンツSEOと混同されがちな概念に「コンテンツマーケティング」があります。コンテンツマーケティングとは、価値のあるコンテンツで見込み客の集客から育成・ファン化するためのマーケティング活動のことです。
コンテンツの種類には、WebページやSNS・動画・オフラインイベントなどが挙げられますが、「検索」をタッチポイントとしたコンテンツマーケティングがコンテンツSEOです。
つまり、コンテンツSEOはコンテンツマーケティング活動の1つといえます。
コンテンツSEOに注目が集まっている理由
Webサイトからの集客を強化したい企業がコンテンツSEOに注力するケースが増えています。背景には被リンクの購入やキーワードの詰め込みによるブラックハットSEOが淘汰され、ホワイトハットSEOが主流になったことが関係しています。
SEOでは検索エンジンを欺く小手先の手法はもはや通用しません。ユーザーの悩みや関心に寄り添い、読んで良かったと思える良質なコンテンツの制作に励むことが大切です。
良質なコンテンツを作るには時間や手間がかかりますが、適切に制作することで高い費用対効果を期待できるため、費用がかかりつづける広告より長期的にはコストを抑えやすいのも利点です。
コンテンツSEOの必要性
現在、Googleが検索順位を決めるアルゴリズムでは、コンテンツの質が優先的に評価されます。
クローラーのためのテクニカルな対策だけでは上位表示は難しく、読み手=人間のためにコンテンツの質を上げる対策が必要不可欠なのです。
2010年代、クローラーに評価されるためだけのSEO対策「ブラックハットSEO」が横行して低品質のページが検索上位を独占し、ユーザーの利便性が悪化した時代がありました。
ブラックハットSEOとは、コピーコンテンツやキーワードの乱用、悪質な被リンクの収集など、コンテンツの質を無視した検索アルゴリズムの穴を突くSEO対策のことです。
その状況を打破するため、Googleは2011年に「コンテンツの質」にフォーカスしたアルゴリズムのアップデートを行いました。アップデートにより低品質なページは検索圏外に下落し、有益なページが検索結果の上位に表示されるようになったのです。
その後、Googleはコンテンツの質やユーザーの利便性を評価するためのアップデートを何度も行ってきました。
次第にブラックハットSEOは淘汰され、現在ではGoogleのガイドラインに則ってサイトを構築する「ホワイトハットSEO」の考え方が主流となっています。
コンテンツSEOは、ホワイトハットSEOの代表的な手法であり、SEO対策には必須の施策なのです。
コンテンツSEOのメリット
コンテンツSEOには、検索順位はもちろんマーケティング活動全体に寄与する多くのメリットがあります。
予算をかけずに実施できる
コンテンツSEOは、本質的にはユーザーにとって良質なコンテンツをページの中で説明することなので、広告費はかかりません。
SEOの分析に必要なGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどのツールも無料で導入できるので、広告等と比較すると予算面で始めやすい施策といえるでしょう。
広告費の削減につながる
Webサイトの集客方法には、リスティング広告やディスプレイ広告のほか、近年ではSNS広告や動画広告もあります。拡散力の高い広告を実施するメリットは大きいですが、クリックや表示されるごとに広告費が課金されるため、広告予算を捻出し続ける必要があります。
コンテンツSEOで集客できるようになれば、広告費をコンテンツSEOのための人材確保や外注の予算に振り替えて、さらにレベルの高いコンテンツ制作を目指すこともできるでしょう。
サイトが資産になる
コンテンツはWebサイトに蓄積されて継続的に集客してくれます。また、コンテンツが蓄積されるほどWebサイト自体の評価が高まり、過去に追加したページの検索順位も向上することがあります。
コンテンツSEOは時間と労力がかかりますが、長期的に成果を生み出す「資産」になることを考えると、積立型の施策だといえるでしょう。
集客効果を維持しやすい
検索順位は競合他社との相対評価で決まるため、順位の変動を避けることはできませんが、コンテンツSEOで一度検索上位になると、順位を維持しやすい特徴があります。
しかし、ブラックハットSEOや、広告やSNSのバズりなどによる検索上位は、Googleのアップデートにより順位が急落することがあります。
拡散性が高い
コンテンツSEOで制作した良質なコンテンツは、他サイトやSNSなどで拡散されることでユーザーのタイムラインに自動的に情報が流れるので、潜在層にもリーチできるメリットがあります。
また、拡散により他サイトやSNSからの被リンクが増えることで、ページの評価が高まり、さらにSEO効果アップにもつながります。
ブランディングになる
良質なコンテンツの指標として、情報の独自性・専門性の高さが挙げられます。
独自性・専門性の高いコンテンツを発信し続けることで、自社の知識や経験をアピールしてブランディングを行うことができます。
ブランディングを確立すると、集客コストの削減やリピート率の向上、価格競争からの脱却など、ビジネス全体に好循環が生まれるため、近年はブランディング目的でコンテンツSEOに取り組む企業も少なくありません。
顧客育成・囲い込みになる
見込み客が購入に至るまでの心理ステップに応じたコンテンツを用意することで、集客→顧客育成→クロージングの過程を自動化することができます。
多種多様なコンテンツを用いて、見込み客(リード)を育成(ナーチャリング)し、購買行動を促す手法を「リードナーチャリング」といいます。
リードナーチャリングに用いるコンテンツには、メルマガやSNS、イベント・セミナーなどがありますが、代表的なものがブログ記事などのWebページです。
リードナーチャリングにより検討段階や購入後の顧客の流出を防ぎ、囲い込みにつながるメリットもあります。
社員の業務効率化につながる
近年は、顧客がまずはじめにネットで情報収集するケースがほとんどです。
Webページ等でリードナーチャリングを行っておくことで、商談での意思決定がスムーズになり、営業社員の業務効率化につながります。
さらに、Webページをプレゼンや会議の資料や、メルマガやSNSのコンテンツとして利用できるため、新たに資料やコンテンツを考えて作成する負担を軽減できるメリットもあります。
営業や商談時の資料にも使える
SEOを施したコンテンツは、営業や商談時の資料にも流用できます。会社案内のパンフレットや商品のカタログの一部に挿入することで、資料作りに割く時間を短縮しつつ、見込み顧客への訴求に適した提案ツールになります。
わざわざ紙の資料にしなくても、ホームページで認知→興味・関心→問い合わせ→購入の各ステップに対応したコンテンツをつくることで、集客から成約までの過程を自動化できます。
コンテンツSEOのデメリット
即効性がない
サイトにコンテンツを追加してから、検索結果に上位表示されて集客効果を得るまでには時間がかかります。
その理由は、クローラーがページをインデックスし、訪問者の動向やクリック率などのデータを加味して順位を決定するのに時間がかかるからです。
また、Webサイト立ち上げの初期段階は、コンテンツが少なく集客力が乏しいことも理由に挙げられます。
コンテンツSEOの効果が現れるまで3〜6ヶ月かかることが多いほか、サイト設計やコンテンツ制作そのものにも時間がかかります。コンテンツSEOは即効性を求めるものではなく、長期間かけて効果が現れる施策であることを理解しておきましょう。
時間と労力がかかる
内製の場合、制作費は発生しませんが、サイト設計や執筆にかなりの時間と労力を要します。
人的リソースや業務フローを確立しないまま走り出すと頓挫することもあるので、あらかじめ制作体制をしっかり構築しておきましょう。
内製でコンテンツSEOを長期間実施し効果を維持するには、自社サービスへの深い見識とSEOの専門知識を持った担当者が必要不可欠です。
社内で人材確保が難しい場合、専門の会社に依頼することで確実に効果が現れて、結果的に早くコストパフォーマンスが向上することも大いにあります。
メンテナンスが必要
コンテンツSEOで検索上位を獲得しても、コンテンツの情報が古くなったり、他サイトがより良いコンテンツを作ったりすると相対的に自社のページの評価が下がり、検索順位は下がることがあります。
検索順位を維持するためには、競合他社サイトのモニタリングや、自社コンテンツの情報更新やリライトを行ってブラッシュアップし続けなければいけません。
モニタリングやメンテナンスも継続的に行う必要がある点は押さえておきましょう。
コンテンツの質が低いと逆効果になる
説明不足な情報やユーザーのニーズに反する記事は検索エンジンからの評価が得られず、特定のページが上位表示できないだけでなく、サイト全体の低評価を引き起こします。また、コンテンツをたくさん作っても、一つ一つのコンテンツの質が低いと意味がありません。内容を工夫して、ユーザーのニーズに即したコンテンツを制作することが重要です。
コンテンツ制作の手順を解説!
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図を満たした良質なコンテンツを作成することで、検索結果の上位表示を目指す施策のことです。
良質なコンテンツ制作を目指すには、いきなり記事を書き始めてはいけません。ユーザーのニーズを把握する事前作業も含めた、7つのステップでコンテンツ制作を進めましょう。
1. 自社の商品・サービスの分析
ターゲットにより求める情報や検索キーワードは変わります。効果的なキーワード戦略やコンテンツの設計には、ターゲットの絞り込みが不可欠なので、はじめに自社の商品やサービスを徹底的に分析し、特徴や強み、ターゲットを明らかにしましょう。
2. ペルソナの設定
ペルソナとは、自社サービスのターゲット層を実在の人物として具体的に作り込んだものです。
ペルソナを設定することで、見込み客が抱えている悩みや問題点が明確になり、ユーザーに響くコンテンツを作成しやすくなります。
また、ペルソナを社内の共通認識として持っておくことで、コンテンツの目的や方向性のズレを防げます。
<ターゲットとペルソナの違い>
ターゲット |
ペルソナ |
30代、会社員、女性、既婚 |
名 前:田中 愛 年 齢:34歳 性 別:女性 居住地:東京都文京区 職 業:広告代理店 営業職 係長 年 収:550万円 家 族:夫と二人暮らし 趣 味:料理・ヨガ 休 日:平日に溜まった家事を片付け、 ゆっくり料理やお酒を楽しむ。 月2回ホットヨガに通う。 悩 み:30代になって体重が増えたので ダイエットしたい。体型も崩れて きて筋トレの必要性も感じている。 |
ペルソナ設定には次のような項目が使われますが、決まりはないので自社サービスに合った項目を選びましょう。
・名前
・年齢
・性別
・職業(業種・職種・肩書など)
・年収
・居住地
・家族構成
・趣味、関心事
・休日の過ごし方
・1日のスケジュール
・価値観、目標
・悩み
・情報収集方法
3. カスタマージャーニーマップの設定
カスタマージャーニーとは、ペルソナが課題を意識してからサービスの購入に至るまでのプロセスのことで、プロセスを可視化した図をカスタマージャーニーマップといいます。
カスタマージャーニーマップを設定することで、各フェーズでのペルソナの課題が明確になり、対策すべきキーワードや必要なコンテンツを洗い出しやすくなります。
<カスタマージャーニーマップの例>
課題意識 |
情報収集 |
比較検討 |
購入利用 |
継続利用 |
|
行動 |
ダイエット方法の検索 |
筋トレのメリット検索 |
パーソナルジムの検索 |
パーソナルジムFITを体験した |
パーソナルジムFITへ入会した |
思考・感情 |
ダイエットしたいけど、年齢的に痩せにくくなっているかも |
女性でも筋トレはやった方がいい?メリットを知りたい |
会社帰りに通える、いい感じのパーソナルジムあるかな? |
体験して悪くなかったけど、本当に痩せられるかな? |
早く痩せたい。どれくらいかかるかな? |
キーワード |
ダイエット 女性 30代 |
ダイエット 女性 筋トレ |
パーソナルジム 新宿 おすすめ |
パーソナルジムFIT 口コミ |
筋トレ 女性 効果 |
コンテンツ |
30代女性のダイエットのおすすめ方法と注意点 |
女性のダイエットに筋トレがマストな理由7選 |
新宿のおすすめパーソナルジムFIT |
パーソナルジムFITの口コミ・体験談を紹介 |
女性の筋トレの効果はいつから?必要な期間を解説 |
カスタマージャーニーに即したコンテンツを用意しておくことで、リードナーチャリング(見込み客育成)にもつながり、サイト全体のマーケティング効果を高めることができます。
4. キーワードの選定
カスタマージャーニーマップに即してキーワードを洗い出し、対策するキーワードを選定します。キーワードの選定には次の調査を行います。
マイクロモーメントを理解する
マイクロモーメントとは、ユーザーが「知りたい」「買いたい」と思った時、反射的に目の前のデバイスで検索したり購入したりする瞬間のことです。
知りたい(Know)・行きたい(Go)・したい(Do)・買いたい(Buy)の4つに分類され、それぞれで検索されるキーワードには傾向があります。
<マイクロモーメントごとのキーワード例>
知りたい(Know) |
行きたい(Go) |
したい(Do) |
買いたい(Buy) |
|
キーワード例 |
「筋トレのメリットとは」 |
「パーソナルジム 新宿 おすすめ」 |
「パーソナルジムFIT 体験」 |
「パーソナルジムFIT 料金」 |
キーワードの傾向 |
○○とは ○○ ×× 違い など |
地名+施設名 近くの+施設名 など |
レシピ、コツ、対策、体験 など |
口コミ、ランキング、料金、通販 など |
カスタマージャーニーマップと併せて、ペルソナがどのマイクロモーメントにあるかを意識してキーワード選定を行いましょう。
検索意図の調査
検索意図とは、ユーザーがキーワードを入力して検索する際の目的のことです。
例えば、「ダイエット 食事」と検索したユーザーは、痩せたいと思っていて今の食事内容に課題を感じていることが想像できます。
さらに検索意図を調査することで、「痩せられるメニューが知りたいのか」「レシピが知りたいのか」「食事制限のやり方が知りたいのか」など隠れたニーズを明確化できます。
検索意図の調査では、上位サイトのコンテンツの内容や、検索窓に入力した際に表示されるサジェストキーワード、検索結果の下部に表示される関連キーワードなどを確認します。
また、無料ツールの「ラッコキーワード」は、サジェストキーワードや共起語なども簡単に調べられるので活用しましょう。
※サジェストキーワード‥キーワードと一緒に検索されやすい単語。
※共起語‥キーワードに関するコンテンツの中で、キーワードと一緒に登場する傾向の高い単語。
※関連キーワード‥サジェストキーワードのほか、検索結果から改めて再入力された再検索キーワード、
競合サイトがアクセスを集めているキーワード、共起語など、関連性の高いキーワードの総称。
検索ボリュームの調査
検索ボリュームとは、検索エンジンでキーワードが検索された回数のことで、1ヶ月の検索回数が指標となります。
検索ボリュームに応じた分類やそれぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の目的に合った検索ボリュームのキーワードを選びましょう。
月間の検索ボリューム |
キーワードの分類 |
メリット |
デメリット |
10,000回以上 |
ビッグワード |
上位表示できれば、多くのサイト流入が見込める。 |
多くの競合が対策しているキーワードのため、サイトの上位表示が難しい。 |
1,000〜10,000回まで |
ミドルワード |
ビッグワードに比べて競合が少なく、上位表示させやすい。 |
スモールワードに比べてターゲットが絞りにくいため、顧客獲得までに時間がかかる。 |
100〜1,000回まで |
スモールワード (ロングテールキーワード) |
競合が少なく上位表示させやすい。ターゲットが絞られるため顧客獲得につながりやすい。 |
上位表示できても、大量のアクセスは見込めない。 |
検索ボリュームは、無料ツールの「Googleキーワードプランナー」で調査できます。競合サイトが獲得しているキーワードや検索ボリュームも確認できますので、キーワード選定の参考にしてください。
マストキーワードとサブキーワードの選定
選定したキーワードは、さらにマストキーワードとサブキーワードに分類しておくことで、コンテンツ作成の優先順位をつけられます。
マストキーワードは、特に上位表示を狙うべき優先度の高いキーワードで、マストキーワードを補完するキーワードがサブキーワードです。
初心者が新規でサイトを立ち上げる場合、マストキーワードは3〜5程度、1つのマストキーワードに対してサブキーワードは5〜10程度が目安です。
キーワードツリーを作って可視化することで、キーワードの漏れや重複を防ぎ、コンテンツ作成のプランを立てやすくなります。サイト運用初期は、15〜50記事を目安にキーワードツリーを作りましょう。
<キーワードツリーの例>
マストキーワード |
サブキーワード |
「ダイエット 女性 筋トレ」 |
「ダイエット 女性 筋トレ 効果」 |
「ダイエット 女性 筋トレ メニュー」 |
|
「ダイエット 女性 筋トレ 30代」 |
|
「ダイエット 女性 筋トレ 頻度」 |
|
「筋トレ 女性 ビフォーアフター」 |
5. コンテンツ作成プランの設定
どのキーワードのコンテンツをいつ・誰が・どうやって作成するかなど、具体的なプランを設定します。
マストキーワードの記事から優先的に作成しますが、業界のホットトピックや季節性のあるキーワード、社内での公開優先度なども必要に応じて加味しましょう。
また、併せて「記事のゴール」も設定します。記事のゴールとは、「記事を読んだユーザーにどんな行動をとってほしいか」です。
例えば、「ダイエット 女性 筋トレ 効果」の記事であれば、「ユーザーが女性のダイエットにおける筋トレの効果を理解し、筋トレを行うかどうか判断できる」ことがゴールとして挙げられます。
ゴールを明確化して、ユーザーの検索意図を満たしたコンテンツを作成しましょう。
6. 競合のコンテンツのリサーチ
キーワードが決まったら、すでに上位表示している競合他社のコンテンツをチェックしたり、伝え方や参考になる情報、ポイント、逆に足りない要素などを検討しましょう。ただし他のサイトと似通ったコンテンツになると、検索エンジンからペナルティを受ける可能性がありますので、最終的には自社独自の企画を練って一次情報を盛り込むようにしましょう。
7. 記事の作成
アウトライン作成・本文の執筆・文字の装飾・画像や図形の挿入、と目的別に作業を進めて記事を完成させます。
アウトラインの作成
まずは、タイトル(titleタグ・h1)や見出し(h2・h3・h4)だけの記事のアウトラインを作成します。
アウトラインの時点で、ユーザーが必要とする情報が網羅できているか、ゴールに到達できる流れになっているかを確認しておきます。
タイトルや見出しの文は、何について書かれたものであるか、ユーザーが一目でわかる内容にしましょう。
本文の執筆
ユーザーが読みやすい文章にするために次の点を意識しましょう。
・結論から先に述べる
・冗長な表現をしない
・一文を短くする
・専門用語はわかりやすい言葉に言い換える
・箇条書きや表・グラフを活用する
・適度に段落分けや空白を活用する
なお、記事の文字数はGoogleの評価対象ではないため、「SEOで有利になる文字数」は存在しません。
上位表示されているページの文字数は約4,000〜5,000語という調査結果もありますが、網羅性の高い記事を目指すことで、自然とその文字数になったと考えられます。
文字数にとらわれず、ユーザーのニーズを満たす情報が網羅できているかを意識して執筆しましょう。
文字の装飾
執筆が完了したら、読みやすくするために文字装飾を行います。流し読みでも要点がつかめる重要な箇所に、次のような装飾を使用しましょう。
・太字
・背景色
・文字色
・アンダーライン
・斜体
統一性がなく過剰な装飾は、かえって文章を読みづらくします。装飾のルールを設け、使用する種類や量は最小限に抑えましょう。
装飾の種類は1記事につき2〜3種類、文字色も2〜3色までを目安にしてください。
画像や図解の挿入
画像や図解を挿入することで、文章だけでは理解しづらい内容を視覚的に伝えることができます。
また、長い記事の場合、文中に適度に画像があることでメリハリが出て、ユーザーの離脱を防ぐ役割も果たします。
画像は、見出しの下など区切りのよい場所に配置し、文章と関連性の高い画像を使用してください。
ただし、画像が多過ぎるとサイトの表示速度が低下してユーザの離脱につながりますので、事前に表示速度を確認してください。パソコンだけでなくスマートフォンでも確認しましょう。
7. 内部構造の最適化
HTMLタグや内部リンクなどを設定し、内部構造の最適化を図ります。
検索結果のタイトル下に表示されるメタディスクリプションも作成し、最後に全体をチェックしたら記事を公開しましょう。
8. メンテナンスを繰り返す
記事公開後は、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどの分析ツールで成果を確認します。
キーワードの検索順位のほか、コンテンツの滞在時間、関連するページへの遷移、購入等へのアクションにつながったかなどを確認し、必要に応じて改善しましょう。
古くなった情報や最新情報があれば記事をリライトし、コンテンツの品質維持に努めてください。
効果を上げるコンテンツ制作のポイント
コンテンツ作成においてはユーザーを第一に考え、有用で信頼性の高い記事を書くことが非常に重要です。次の点を意識するとよいでしょう。
独自性を高める
他のサイトにもあるような内容ばかりでは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツとはいえません。
自ら取得した一次情報を盛り込み、独自性の高いコンテンツを作成しましょう。一次情報には次のものが挙げられます。
・自分自身の体験談
・自社で行った取材内容や調査結果
・自社で収集した口コミやアンケート
・自社で撮影した写真や動画
網羅性を満たす
網羅性を満たしたコンテンツとは、ユーザーが知りたい情報が漏れなく記載されているコンテンツのことです。
また、コンテンツ単体だけではなくWebサイト全体の網羅性も意識することで、ユーザーから信頼される専門性の高いサイト作りが可能になります。
網羅性を満たすために「検索上位サイトのトピックを全網羅」してコンテンツを作成するケースも見られますが、適切な方法とはいえません。
競合サイトは参考にするべきですが、検索順位はトピック以外の様々な要素も加味して決められるものです。機械的に競合サイトを模倣するのではなく、自社のユーザーニーズに合致しているかどうかでトピックを選びましょう。
E-E-A-Tを高める
E-E-A-Tは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trust(信頼性)の頭文字をとった言葉で、Googleが定めたコンテンツの品質評価基準のことです。
従来「E-A-T」でしたが、2022年12月にExperience(経験)が追加されて4つの評価基準となりました。E-E-A-Tを高めるには次の方法が挙げられます。
Experience(経験) |
コンテンツの作者自身の経験や体験を具体的に盛り込む。 |
Expertise(専門性) |
・特定の分野に特化したサイトを運営する。 |
Authoritativeness(権威性) |
・対象となる分野で権威のある人物や団体に寄稿してもらう。 ・寄稿者のプロフィールを掲載する。 ・権威性のあるWebサイトから適切に引用する。 ・公的機関とのつながり・許認可・受賞歴・市場シェアなどを掲載する。 |
Trust(信頼性) |
・情報を詳しく開示する。 (運営会社名・住所・メールアドレス・電話番号・責任者名・公開日・ 更新日など) ・引用や参照は信頼性の高いWebサイトから行い、ソース名を掲載する。 ・定期的にアップデートして情報の鮮度を保つ。 |
コンテンツSEOに割く運用体制を整える
コンテンツSEOでは、テーマ決めやキーワードの選定、ペルソナの設計、コンテンツの制作など幅広い業務があるため、十分な人的リソースを確保し、運用体制を整える必要があります。公開後も効果測定や適切な情報更新が必要のため、ディレクター、編集者、ライター、デザイナー、コーダーなど、必要に応じたチーム体制で運用するようにしましょう。
ツールを導入する
キーワード調査やたたき台の作成、効果測定などツールでできることはツールに任せて効率化しましょう。
コンテンツSEOでは検索エンジンとユーザーの両方の視点が必要
1. 検索エンジンの評価ポイント
GoogleではSEO対策について、検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドを公開しています。ここで、検索エンジンのクローラーが認識しやすい内部構造の設計についても示されています。
・タイトルタグへのキーワードの挿入
・サイトマップの送信
・サジェストや関連キーワードの追加
・画像サイズやファイル名の最適化
・パンくずリストの設定
2. ユーザーの評価ポイント
ユーザーにとって良質なコンテンツは、情報の充実度、読みやすさ、ユーザビリティの高いサイト設計、表示速度の速さなどの要素を満たす必要があります。E-E-A-Tに即したコンテンツ作りには信頼できる引用元の明示、最新情報の追加が重要な要素です。
知りたかった情報が書かれた記事を見つけても、一般人の意見よりも、たとえば国や地方自治体や専門家の意見、大学の論文引用などがされていると、より信用力があると判断されやすいです。
3. リンクの購入
自然な形で獲得した被リンクは今でも効果はありますが、リンク販売業者からリンクを購入するとペナルティを受ける可能性があります。実際に、Googleは2012年にペンギンアップデートを実施し、人工的な被リンクの設置で上位表示を獲得したページを検索圏外へと追いやりました。
コンテンツSEO的にやってはいけないこと
キーワードやコンテンツの重複
重複したキーワードやコンテンツはユーザーに混乱を与えるだけでなく、検索順位が下がったり、最悪の場合はGoogleからペナルティを受けたりする恐れもあります。
1つのキーワードを複数のページで対策している場合や、同じコンテンツが複数のページに存在する場合に、「重複」とみなされることがあります。
重複を防ぐために、キーワードツリーなどでしっかり管理して社内で共有しておきましょう。
コピーコンテンツ
別サイトの内容をコピーしたコンテンツは、E-E-A-Tの観点からも低品質であることは明らかです。
悪質なコピーコンテンツとみなされると検索順位の下落やペナルティを受けることもあるので、コピーは絶対に行わないでください。
コピーコンテンツを防ぐには、マニュアル等で「コピー禁止」を執筆担当者に徹底するほか、必ず「コピペチェック」も行いましょう。
コピペチェックには、「CopyContentDetector」や「こぴらん」など無料で簡単に使えるツールがおすすめです。
コンテンツSEOに関するQ&A
SEO対策において、内部対策・外部対策・コンテンツSEOのいずれも欠かすことができませんが、コンテンツSEOは、検索結果だけでなくマーケティング活動全体への波及効果が期待できます。長期的な成長を目指す企業は、コンテンツSEOのメリット・デメリットを踏まえて早急に取り組みましょう。
1. SEO対策を外注したときの費用相場は?
依頼する業務ごとの一般的な費用相場を次にまとめました。
- SEOコンサル:10万円~100万円/月
- SEO戦略の策定:10万円~50万円/月
- 記事制作(構成~公開):5万円/本
2. コンテンツSEOで必須のポジションは?
コンテンツSEOの適切な運用体制を確保するには以下のポジションが必要です。
- マネージャー(ディレクター)
- Web開発者
- コンテンツチーム(編集者/ライター/デザイナー)
- 広報部隊
コンテンツ作りに直接関わらなくても、技術的な実装を可能にするWeb開発者や、コンテンツを宣伝してリンクの獲得を目指す広報部隊があると良いでしょう。
まとめ
SEO対策において、内部対策・外部対策・コンテンツSEOのいずれも欠かすことができませんが、コンテンツSEOは、検索結果だけでなくマーケティング活動全体への波及効果が期待できます。長期的な成長を目指す企業は、コンテンツSEOのメリット・デメリットを踏まえて早急に取り組みましょう。
とはいえ、ユーザーのニーズを満たす良質なコンテンツを作成することは、決して簡単な作業ではありません。しかし、自社サービスや顧客への理解を深め、新たな課題の発見やアイデア創出にもつながる、非常に有益な作業ともいえます。
ユーザーの課題解決ができるコンテンツ制作をお考えなら、キナバルのコンテンツマーケティングサービスにぜひお問い合わせください。
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