広がる、本屋さんの可能性
本屋さんは、一般的には本の購入を目的とする場所ですが、本が好きな人にとっては本を選ぶ時間こそが心ときめく贅沢な時間と言えるでしょう。
じっくり本と向き合いたい、家族と一緒に楽しみたい、といったそれぞれの好みや気分、ニーズに合わせて、さまざまなカタチの本屋さんが展開されています。
一度訪れてみたいと感じる興味深い本屋さんと、そのWebサイトを紹介します。
・文喫
住所:東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビル1F
六本木にある「文喫」は、「文化を喫する、入場料のある本屋」。
この本屋では、最初に受付で入場料を支払い、飲食受付でおかわり自由のコーヒーなどの飲み物を受け取ってから、本を選び、好きな席で過ごすことができるシステムになっています。
店内の本は購入することも可能。思う存分、本との出会いを楽しむことができる場所です。
選書室や閲覧室のほかに、研究室や喫茶室もあり、自分の希望の用途に合わせて好きなスペースで過ごすことができます。
本の種類は文学だけでなく、アートやビジネス、自然科学からコミックまで多彩で、約3万冊もの品揃えがあるとのこと。まるで図書館のようですが、より自由に、思い思いの形で本との時間を楽しむことができる贅沢な空間となっています。
Webサイトは、白を基調にしたシンプルなデザイン。
特に、「文喫とは」のページでは、コンセプトを詩で語っているところが印象的です。本の1ページをのぞくような、活字を読む楽しさを本好きな人と共有するかのような仕掛けになっていると感じました。
・BOOK PARK miyokka!?
住所:三重県四日市市泊小柳町4-5-1 イオンタウン四日市泊2F
「ほんにふれる―ヨム・カク・ウゴク―」をコンセプトとしている「miyokka!?」は、「〜してみよっか?」という言葉から名付けられたそうです。
親子であそび、学べる場として作られ、子どもから大人まで手に取りやすい書店となっており、有料のプレイパークが併設されています。
プレイパークでは、人気の絵本作品などとコラボしたアスレチックやおままごとができるエリアがあり、作品の世界に入り込んだような空間でさまざまな遊びを楽しむことができます。小さな子どもがいる家族にとって、本の世界をより身近に感じられ、本屋さんという存在に親しむことができる魅力的な場所ですね。
Webサイトは、見るからに子どもが喜びそうな写真が紹介されつつ、落ち着いたグリーンがまんべんなく使われていて、ほっとするような雰囲気。優しいイラストの地図がわかりやすく、まさにファミリーが訪れたくなるように作り込まれています。
・本と美容室
住所:神奈川県三浦市三崎3-3-6 本と屯2階
「本と美容室」は、セレクト書店と美容室を合わせた場所。少なくなりつつある街の小さな書店の魅力を生かして、美容室とともに展開しています。
街に合わせた本を選書してもらい、その地ならではの文化や出会いを大切にした場として提供しているようです。
Webサイトを開くと、ハサミや本のイラストと共に、楕円形や四角形などの図形を組み合わせてできたような、髪を切ったり本を読んだりする人々の図。レトロな色使いと少し不思議な感覚を与えるデザインで、印象に残ります。
美容室は「髪を切る」という行動を通して新しい自分と出会うことができる場です。また、癒やしをもらったり、悩みを解決したりすることもあるでしょう。このように自分と向き合う時間と、「本を選ぶ」という行為には親和性があるのではないでしょうか。
また、書店を通じてローカルエリアを活性化することや美容師の活躍の場を広げることなど、多角的な視点から生み出された施設で、今後の地域のあり方や働き方の多様性についても改めて考えさせられます。
本と何かを組み合わせることで、面白さがいっそう増したり、魅力を高めあったりすることがあり、多くの可能性を秘めています。今後も、思いがけないアイディアや組み合わせにより、さまざまなカタチの本屋さんが生まれることを期待しています。
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