PREP法とは？“伝わる話し方”を身につける最短ルート

「結論から言って」「つまり何が言いたいの？」――会議やプレゼンの場で、こうした言葉を聞いたことはありませんか。話が長くなったり、要点が伝わりにくかったりすると、せっかくのアイデアや提案も相手に響かないことがあります。

そんな時に役立つのが、ビジネスシーンで定番の話し方の型「PREP法」です。シンプルでありながら、誰でも“伝わる話し方”を身につけられるこの手法は、日常のコミュニケーションから営業トーク、資料作成まで幅広く活用できます。

この記事では、PREP法の構成と実践ポイント、失敗しやすい落とし穴、自然に使いこなすための練習法までをわかりやすく解説します。

PREP法とは？構成の基本（Point→Reason→Example→Point）

PREP法は、英語の「Point（結論）」「Reason（理由）」「Example（具体例）」「Point（再結論）」の頭文字を取った、論理的に話を展開するためのフレームワークです。

結論を最初に提示し、その根拠と具体的な事例を示した上で、もう一度結論を繰り返すことで、聞き手の理解と納得を得やすくなります。

構成要素	内容	目的
Point	最初に結論を伝える	聞き手に話の方向性を示す
Reason	結論の理由を説明する	理解と納得感を高める
Example	具体的な事例やデータを示す	信頼性と説得力を補強する
Point（再）	結論をもう一度まとめる	記憶に残す・印象を強める

この構成の最大の特徴は、「最初に結論を提示する」点にあります。結論を後回しにせず、冒頭で伝えることで、聞き手が「この話は何の話なのか」をすぐに理解でき、ストレスなく話を追えるのです。

なぜPREP法は説得力が高いのか

PREP法が多くのビジネスパーソンに支持される理由は、「論理と感情の両方に訴えられる」構造を持っているからです。

まず「Point」で結論を明示することで、話の方向性を明確にし、聞き手の注意を引きつけます。次に「Reason」で論理的な根拠を示し、理性に訴えます。さらに「Example」で具体例を加えることで、感覚的・感情的な理解を促し、共感を得やすくします。そして最後に再度「Point」を伝えることで、話の印象を強く残すことができるのです。

PREP法はシンプルですが、脳科学的にも効果的です。人の記憶は、話の冒頭と終わりの情報を強く覚える傾向があります。つまり「結論で始まり、結論で終わる」構成は、記憶に残る伝え方として理にかなっているのです。

会議・プレゼン・営業での実践例

PREP法は、社内会議から営業トークまで、あらゆる場面で活用できます。ここでは具体的な活用例を紹介します。

1. 会議での発言

Point：「新しい営業管理システムを導入すべきだと思います」
Reason：「現在のシステムでは入力ミスや情報共有の遅れが発生しており、業務効率が低下しているためです」
Example：「実際、A支店では新システム導入後に事務作業時間が30％削減されました」
Point（再）：「そのため、全社的に新システム導入を検討すべきと考えます」

このように、1分程度でもしっかりと要点が伝わります。

2. プレゼンテーション

Point：「今回のキャンペーンは、既存顧客のリピート率向上が目的です」
Reason：「新規獲得よりもリピート顧客の方がコストパフォーマンスが高いからです」
Example：「過去のデータでは、リピート率が10％上がると売上が15％伸びています」
Point（再）：「したがって、既存顧客向けの施策に重点を置きます」

3. 営業トーク

Point：「このプランをおすすめします」
Reason：「初期コストを抑えながら長期的にコスト削減ができるためです」
Example：「同業のB社では、導入から1年で年間50万円の経費削減を実現しました」
Point（再）：「御社でも同様の効果が期待できます」

PREP法は、短時間でも説得力のあるコミュニケーションを可能にします。

ありがちな失敗例と改善ポイント

PREP法はシンプルで使いやすい反面、形式にとらわれすぎて「機械的な話し方」になってしまうことがあります。以下のような失敗例には注意が必要です。

失敗パターン	問題点	改善ポイント
結論があいまい	何を主張したいのか伝わらない	最初の「Point」は1文で明確にする
理由が薄い	根拠が感覚的で説得力に欠ける	数値や事実、第三者の評価を使う
具体例が抽象的	実感がわかず記憶に残らない	実際の事例・数字を盛り込む
結論の繰り返しが不自然	話が冗長になる	最後の「Point」は要約に留める