プロンプトとは?意味や基本的な書き方、生成AIで使える具体例をわかりやすく解説

ChatGPTをはじめとする生成AIがビジネスでも活用されるようになり、「プロンプト」という言葉を目にする機会が増えました。
生成AIは文章の作成や要約、アイデア出しなど幅広い業務に利用できます。しかし、同じAIを使っていても、指示の出し方によって回答の内容や精度が大きく変わることがあります。
生成AIに目的に合った回答をしてもらうために重要なのが、プロンプトです。
この記事では、プロンプトの意味やできること、基本的な書き方、良いプロンプトを作るコツについて解説します。すぐに活用できる具体例や利用時の注意点も紹介するため、生成AIを仕事に取り入れたい方は参考にしてください。
目次
プロンプトとは?
プロンプトとは、生成AIに対して入力する質問や指示のことです。
ChatGPTなどの生成AIは、ユーザーが入力したプロンプトの内容をもとに回答を生成します。「新商品のキャッチコピーを考えてください」「この文章を300文字程度に要約してください」といった指示もプロンプトの一つです。
プロンプトは、単純な質問だけとは限りません。AIに「どのような立場で答えてほしいか」「何について答えてほしいか」「どのような形で出力してほしいか」など、複数の条件を伝えることもできます。
たとえば「SNSについて説明してください」と入力するだけでも回答は得られます。しかし、「新入社員向けに、SNSの仕組みを専門用語を避けて500文字程度で説明してください」と指定すれば、用途に合った回答を得やすくなります。
生成AIを上手に使うには、AIの性能だけでなく、何をしてほしいのかを明確に伝えることも大切です。
プロンプトを使うと何ができる?

プロンプトを活用すると、生成AIにさまざまな作業を依頼できます。ビジネスでは、文章作成から情報整理まで幅広い用途で利用できます。
代表的な使用例は次のとおりです。
| 使用目的 | プロンプトの例 |
|---|---|
| 文章作成 | 新商品の紹介文を300文字程度で作成してください |
| 要約 | 次の文章を重要なポイントを残して200文字程度に 要約してください |
| アイデア出し | 20代向け商品のSNSキャンペーン案を5つ提案してください |
| 文章の改善 | 次の文章を取引先向けの丁寧な表現に修正してください |
| 情報整理 | 次の情報をメリットとデメリットに分けて整理してください |
| 翻訳 | 次の日本語を自然な英語に翻訳してください |
ほかにも、メールの下書き、会議の議題作成、企画案の整理、アンケート項目の作成、表の作成などにも利用できます。
生成AIにすべてを任せるのではなく、下書きや情報整理などをAIに任せ、最後は人が確認して仕上げる使い方がおすすめです。
プロンプトの基本的な書き方
プロンプトには決められた形式があるわけではありません。ただし、AIに目的に合った回答をしてもらうには、「役割」「出力形式」「具体的な条件」を意識して指示を出すと伝わりやすくなります。

役割を指定する
まず、生成AIにどのような立場から回答してほしいのかを指定します。
たとえば、マーケティングについて質問する場合でも、「あなたはマーケティング担当者です」と設定することで、その立場に合わせた回答をしてもらいやすくなります。
ほかにも「あなたは採用担当者です」「初心者向けに説明するパソコン講師です」など、目的に応じた役割を設定できます。
ただし、役割を設定するだけで専門性や正確性が保証されるわけではありません。役割指定は、回答の視点や表現を調整するための条件として活用しましょう。
出力形式を指定する
どのような形で回答してほしいのかを指定することも大切です。
たとえば「表形式で整理してください」「見出しを付けて説明してください」「メール形式で作成してください」などと伝えます。
あらかじめ出力形式を指定しておけば、後から文章を整える手間を減らせます。業務で使用する場合は、実際に利用する形式に合わせて指定すると便利です。
具体的な条件を指定する
AIに希望する内容がある場合は、できるだけ具体的に伝えましょう。
たとえば記事を作成するのであれば、次のような条件を指定できます。
-
対象読者
-
文字数
-
文体
-
盛り込む内容
-
使用してほしいキーワード
-
使用してほしくない表現
「文章を書いてください」と指示するより、「20代の新社会人向けに、500文字程度のやわらかい文章で書いてください」と伝えたほうが、目的に近い文章を得やすくなります。
良いプロンプトを作るコツ

プロンプトは、長く書けばよいというものではありません。生成AIに「何をしてほしいのか」「どのような回答が必要なのか」が伝わるように、必要な情報を整理することが重要です。
目的を明確にする
まずは、生成AIを使って何をしたいのかを明確にしましょう。
たとえば「マーケティングについて教えてください」だけでは、マーケティングの意味を知りたいのか、具体的な手法を知りたいのかがわかりません。
「新入社員にマーケティングの基本を説明する文章を作成してください」のように目的を具体的に伝えると、求めている回答に近づきやすくなります。
対象者を具体的にする
文章を作成する場合は、誰に向けた内容なのかを伝えることも大切です。
「初心者向け」「新入社員向け」「経営者向け」「20代の会社員向け」など、対象者によって適切な言葉や説明の詳しさは変わります。
たとえば専門的なテーマでも、「初めて学ぶ人にもわかるように説明してください」と指定すれば、専門用語を減らした回答にしてもらいやすくなります。
曖昧な条件を具体的にする
「短く」「詳しく」「いくつか」などの表現は、人によって受け取り方が異なります。できるだけ具体的な条件に置き換えましょう。
たとえば「短く説明してください」ではなく「300文字程度で説明してください」、「アイデアをいくつか考えてください」ではなく「アイデアを5つ提案してください」と指定します。
文字数や件数など、数字で示せるものは具体的に指定すると、AIとの認識のずれを減らせます。
必要な情報を整理して伝える
複数の条件がある場合は、一つの長い文章に詰め込まず、項目ごとに整理するとわかりやすくなります。
役割、対象者、文字数、盛り込む内容、文体、出力形式などを分けて記載すれば、自分自身も条件の抜け漏れを確認しやすくなります。
回答を見ながら調整する
最初から一度の指示で完成させようとする必要はありません。
回答を確認したうえで「もう少し初心者向けにしてください」「具体例を追加してください」「500文字以内に短くしてください」など、追加の指示を出すこともできます。
生成AIとのやり取りを重ねながら条件を調整することで、自分が求めている回答に近づけていけます。
プロンプトの具体例
ここでは、Webサイトに掲載する記事の構成案を作成する場合を例にします。
悪い例
DXについて記事を書いてください
このプロンプトでも文章は生成できますが、対象者や記事の目的、文字数などが指定されていないため、期待していた内容と異なる可能性があります。
より具体的に指示する場合は、次のようなプロンプトにします。
良い例
# 役割
あなたは企業向けWebメディアの編集者です。
# 依頼内容
DXについて解説する記事を作成してください。
# 対象読者
DXについて基本から知りたい会社員
# 文字数
3000文字程度
# 盛り込む内容
・DXの意味
・DXが注目されている背景
・企業がDXに取り組むメリット
・具体的な取り組み例
・DXを進める際の注意点
# 文章の条件
・専門用語を多用せず、初心者でも理解できる文章にする
・ですます調で作成する
・内容に合わせて見出しを付ける
・同じ内容の繰り返しを避ける
# 出力形式
タイトル、導入文、各見出し、本文の順番で記事全体を出力してください。
このように「#」を使って役割や対象読者、条件などを項目ごとに分けると、プロンプトの内容を整理しやすくなります。複数の条件がある場合も、項目ごとに分けておけば、内容を確認したり、後から修正したりしやすくなります。
ただし、「#」を使ったからといって、必ず回答の精度が上がるわけではありません。大切なのは、生成AIに何をしてほしいのかを具体的に伝えることです。「#」は、AIへの指示を整理する方法の一つとして使うとよいでしょう。
実際に、このプロンプトを使って記事を作成すると、次のような文章ができます。ここでは、生成された記事の一部を紹介します。

プロンプトを使うときの注意点
生成AIは便利ですが、プロンプトに入力する情報や生成された回答の扱いには注意が必要です。
個人情報や機密情報を安易に入力しない
業務で生成AIを利用する場合は、顧客の氏名や住所、電話番号などの個人情報を安易に入力しないようにしましょう。
社外秘の資料、未公開の商品情報、取引先との契約内容、社内システムの認証情報などの機密情報についても注意が必要です。
生成AIサービスによって、入力したデータの取り扱いや設定は異なります。企業で利用する場合は、サービスの利用規約やプライバシーポリシー、自社の生成AI利用ルールを確認することが大切です。
著作権に注意する
生成AIが作った文章や画像を公開したり、仕事で使ったりする場合は、著作権にも注意しましょう。AIが生成したものであっても、既存の著作物との関係で問題になる場合があります。
既存の著作物と類似した内容が生成される可能性があるため、AIが生成したからといって、そのまま自由に利用できるとは限りません。
特定の作家やWebサイトの文章をそのまま再現させるような使い方を避けるとともに、公開前に既存の著作物との類似性などを確認することが重要です。
文化庁では生成AIと著作権について情報を公開しています。詳しく確認したい場合は、文化庁のAIと著作権に関する情報も参考にしてください。
生成された情報が正しいとは限らない

生成AIは、事実とは異なる内容や古い情報を回答する場合があります。
そのため、生成された文章をそのまま信用するのではなく、重要な情報は公式サイトや公的機関など信頼できる情報源と照らし合わせることが必要です。
特に法律、医療、金融、統計データ、料金、サービス内容など、正確性や最新性が求められる情報を扱う場合は十分に確認しましょう。
生成AIは情報を確認する人の代わりではなく、業務を支援するツールとして利用することが大切です。
プロンプトを工夫して生成AIを業務に活用しよう
プロンプトとは、ChatGPTなどの生成AIに入力する質問や指示のことです。文章作成や要約、アイデア出し、情報整理など、さまざまな場面で活用できます。
目的に合った回答を得るためには、単に質問するだけではなく、役割や対象者、出力形式、文字数などの条件を具体的に伝えることがポイントです。
また、一度で完成した回答を求める必要はありません。生成された内容を確認しながら追加のプロンプトを入力し、徐々に希望する内容へ調整する方法も有効です。
一方で、個人情報や機密情報の入力、著作権、生成された情報の正確性には注意が必要です。最終的な内容は人が確認したうえで利用しましょう。
プロンプトの基本を知って、AIに具体的な指示を出せるようになれば、文章作成だけでなく、企画や情報整理などさまざまな仕事に活用できるようになります。
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