取次とは?ビジネスでの意味と取次の方法【シーン別の例文あり】
ビジネスシーンでは、電話応対や訪問客対応において、取次が必要なことがあります。取次がうまくできなければ、トラブルが発生したり信用を失ったりすることがあるため、注意が必要です。
特に、電話応対や来客対応に慣れていない方は、取次の流れや方法、立ち居振る舞い、マナーを知り、徐々に慣れることが重要です。ビジネススキルの1つとして、取次の方法を身につけましょう。
目次
ビジネスにおける取次とは?
ビジネスシーンでは、仲介したり連絡を引き継いだりすることを「取次」と言います。例えば、次のようなシーンで取り次ぎが行われます。
【シーン別】取次の流れと方法とは?
取次では、正確性とスムーズさが求められます。取次の仕方を誤ると、混乱やトラブルが発生し、社内外からの信頼を損ねるかもしれません。責任を持って、正しく取り次ぐことが大切です。
まずは、取次の基本的な流れを覚えましょう。
電話での取次
電話での取次では、担当者が在席しているかどうかを確認し、不在の場合は用件を聞いて引き継ぐなどの対応が必要です。
- まずは、担当者が社内にいるかどうかを確認します。
「〇〇(担当者の名前)でございますね。確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
- 保留ボタンを押して担当者の所在を確認し、取り次ぐ相手がいる場合は相手の社名と名前を伝えて電話を代わります。社名や名前を聞き取れなかった場合は、保留する前に聞き返し、確実に相手の情報を得てから電話を取り次ぐのが基本です。
- 担当者が電話に出られない場合、その理由と対応可能な時間を伝えます。
「あいにく、ただ今外出しており、〇時頃に戻る予定でございます」
「ただ今、席を外しております」
「今、別の電話に対応しております」
「〇〇は本日休みを取っております。明日は出社予定でございます」
- その後の対応を提案し、相手の意向を聞きます。
「折り返しお電話するようにいたしますが、いかがでしょうか」
「私でよろしければ、伝言を承ります」
- 折り返しの電話をお願いされた場合、連絡先を聞きます。
「差し支えなければ、ご連絡先を教えていただけますでしょうか」
- 電話を切った後、担当者に相手の会社名と名前、折り返しの有無、伝言などを伝えます。
社内で取次ルールを設けていれば、その内容に従って確実に取り次ぐことが大切です。
訪問客の取次
会社の受付などで訪問客に対応する際、担当者を訪問客のもとに呼んだり、訪問客を担当者のもとへ案内したりします。
訪問客への対応は、立って行うのがマナーです。相手の姿が見えたら立ち上がり、先にお辞儀をして出迎えます。
電話応対と同様に、まずは訪問客の会社名や名前を聞き、担当者が社内にいるかどうかを確認します。
訪問客の取次では、次の情報を聞くのが基本です。
アポイントがあるにもかかわらず、担当者が他の対応で手が離せない場合、担当者と相談のうえ、お詫びの言葉とともにお待ちいただくように伝えます。
→「大変申し訳ございませんが、〇分ほどこちらでお待ちいただけますでしょうか」
訪問客を他の部屋や担当者のもとに案内する場合、次のことに気を付けましょう。
メールでの取次
メールでの取次でよくあるのが、担当者の変更に伴う引継ぎです。取引先に対し、旧担当者から新担当者を紹介するメールを送り、後日、新担当者から挨拶をします。
メールには、担当者変更の時期や理由、後任者の情報などを記載します。後任者のスキルなどの紹介文を加えておくと、今後のコミュニケーションがスムーズになり、相手の安心感にもつながるでしょう。メールを作成する際は次の点に注意します。
- 件名:担当者変更の連絡であることを入れる
件名:担当者変更のお知らせ
- 本文:担当者変更の報告、御礼、後任者の情報を記載する
「このたび、人事異動に伴い、▲月▲日より(後任者の名前)が貴社を担当させていただくことになりました。
在任中、〇〇様には大変お世話になりました。厚くお礼申し上げます。
後任の△△は、貴社のプロジェクトに携わったこともあり、業界にも精通しております。
今後も変わらぬご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
後日、△△よりご挨拶させていただきます」
取次の注意点
取次では、相手の情報や用件を正しく聞き取り、担当者に確実に伝えることが重要です。取次に慣れていないと、担当者にうまく情報を引き継げなかったり、情報が不十分で対応が遅れたりすることがあります。
取次でのトラブルは、個人間だけでなく会社の信用にもかかわるため、慎重に行いましょう。
相手の名前、会社名、用件を正しく聞き取る
電話での取次では、相手の声が聞き取れなかったり、聞き間違えたりすることがあります。相手の名前、会社名、用件は必ずメモし、復唱します。
聞き取れなかった場合は「恐れ入りますが、もう一度お伺いできますか」「お電話が少々遠いようです。もう一度教えていただけますか」などと伝えましょう。電話で聞き返すことは、決して失礼なことではありません。あやふやな情報で取り次がないようにしましょう。
取り次ぐ相手に正しく伝達する
引継ぎのメモには、次の内容を記載します。
伝言用のメモ用紙やノートのほか、チャットツールなどを活用している会社もあります。会社のルールに沿って取り次いでください。
取り次ぐ相手が外出している場合、メールや留守番電話に上記の内容を残します。伝言の内容について担当者から問い合わせが入ることもあるため、メモした内容はしばらく手元に残しておくとよいでしょう。
相手を待たせない
電話や訪問客への対応はスムーズに行わなければなりません。担当者が社内にいるかどうかを素早く確認し、必要な対応をとります。
確認に時間がかかる場合、「お待たせして申し訳ございません。ただ今確認しておりますので、もう少々お待ちください」と声を掛けます。
電話の保留状態が30秒以上続く場合は、一度保留を解除し、上記のお詫びをしてから再び保留にするのがマナーです。
正しい取次で円滑なコミュニケーションを
ビジネスシーンでは、電話やメール、訪問客を取り次ぐことがよくあります。ですが、取次に苦手意識を持つ方も少なくありません。
取次がスムーズにできれば、その後の対応やコミュニケーションが円滑になり、信頼関係の構築にもつながります。まずは、取次の流れや取次に必要な情報を覚えることが大切です。
聞くことをリスト化したり、注意事項をまとめた資料を手元に用意したりして、徐々に取次に慣れていきましょう。
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