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補助金適正化法とは?目的と概要、返還の具体例や罰則などを徹底解説

多くの中小企業や小規模事業者に幅広く活用されているのが、国や自治体が管理する各種の補助金です。

そして、補助金が適正に活用されているかどうかを判断する根拠となる法律が補助金適正化法(正式名称:「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」)です。

 

この記事では、補助金適正化法の概要や補助金返還の具体例、罰則などについて詳しく解説します。

ポイントは次の3点です。

・補助金適正化法の概要
・補助金返還の具体例
・根拠法や罰則など

 

補助金適正化法とは

補助金適正化法は1955年に施行されました。

補助金等の交付申請や決定関連、また補助金に係る予算執行関連の基本的事項を定め、不正な申請・使用の防止、その他補助金の執行・交付にあたっての適正化を主な目的としています。

この法律は時代の潮流に合わせて適宜改正されています。

 

目的・背景と概要

補助金適正化法の目的と概要について解説します。

参照:文化庁「補助金適正化法の考え方について」 公式サイト

 

目的

法律の条文に掲げている目的は下記のとおりです。

“第1条 この法律は、補助金等の交付の申請、決定等に関する事項その他補助金等に係る予算の執行に関する基本的事項を規定することにより、補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止その他補助金等に係る予算の執行並びに補助金等の交付の決定の適正化を図ることを目的とする。”

参照:補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律

 

背景

条文(第1条)に記載のとおり、この法律が不正な申請や使用の防止が目的であることを明記しています。

補助金は、税金や国債といった「国民の負担」がその原資となっています。このため、補助金の運用に当たってはしっかりと法律を定め、「公明正大かつ効率的な」内容が厳格に規定されています。

補助金を交付した後、万一不正が発覚した場合には取り消しが行われ、すでに交付されていても返還義務が生じると同時に加算金(年10.9%)も課せられます。

また、罰金や懲役刑などの罰則規定もあるため、最悪の場合には逮捕・起訴にまで発展します。

補助金の不正受給により、不正を行った事業者や責任者は社会的にも大きなダメージを受けることとなるので、不正がないよう十分に留意することが大切です。

 

概要

補助金適正化法の概要は、大別して下記の3点に集約されます。

各条文の詳しい内容は補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律をご参照ください。

 

補助金の申請と決定(同法第5条~10条)

・事業の目的と内容、必要経費や記入項目など、申請に必要な基本的手続きについて規定されています(第5条)
・補助金交付の条件規定で、事業内容の変更や中止などの際に発生する報告義務が規定されています(第7条)


補助金を受けた事業者の対応(第11条~16条)

・補助を受けた企業(事業主)や個人の義務が示されています(第11条第1項)
・補助金額の確定について規定されています(第15条)
・事業者の申告内容が不正だった場合に、内容の是正を求めることが示されています(第16条第1項)


補助金の返還(第17条~21条)

・何らかの違反等があった場合、補助金決定の取り消しについて規定されています(第17条第1項)
・取り消した際に、補助金の返還を求める旨が記載されています(第18条第1項)
・当該金額を超える補助金が既に交付されていた際に返還を命じる規定(同第2項)、および返金免除の特例(同第3項)があります。
・補助金徴収の規定なども定められています(第21条)

 

補助金返還の具体例

補助金には、国や自治体が主管する様々なものがあります。

その中でも、国が主管する代表的な補助金としては次のものが挙げられます。

 

・ものづくり補助金
・IT導入補助金
・小規模事業者持続化補助金
・事業再構築補助金

 

上記のうち、例えば小規模事業者持続化補助金についてみていきます。

同補助金は、既に収束した「コロナ禍」の影響を受けて売上高が大幅に減少した中小企業に最大2,000,000円、個人事業主に同1,000,000円を支給するものでした。

コロナ蔓延当時の切迫した状況から、当初は申請書類を最低限に絞り、給付スピードを重視した結果、予算総額として約5.7兆円が迅速に当該事業者に給付されました。

ところが、実際に事業実態がないにも拘らず虚偽・不正に給付金を受給する事例が多発しました。

日本経済新聞社の報道によれば、2021年2月11日時点で不正などによる補助金返還金額は106億円、返還件数は9,924件にのぼり、未返還も3,502件あるとしています。

次に、実際に補助金を申請しながら、不正等により返還を余儀なくされた具体例をいくつか挙げて解説します。

 

事例1

某化学メーカーの子会社であるA社は、2016年に独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)の「新興国市場開拓等事業費補助金」を不正に受給したとして返還を求められました。

同社は海外で新規に製造拠点を設立する際にアドバイスを受ける目的で専門家を雇用していましたが、その一部を申請目的外に流用したものです。

受給総額は約2,000,000円でしたが、親会社からジェトロへ全額返還されただけでなく、追徴金の支払いも課せられました。

 

事例2

福島県で事業を営むB社は、「平成25年度当初予算 中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金(中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業)」を活用して同県から交付を受けましたが、証憑類の偽造などを行って58,810,000円の補助金を不正受給しました。

B社に対して補助金全額の返済が課せられ、経済産業省は補助金の交付停止措置を行いました。

 

事例3

東京都23区内にあるC商店会連合会は、例年開催するイベント費用として補助金申請を行いましたが、実際の収入よりも少ない金額を計上し、受給額の調整を行ったことが発覚しました。

具体的には、領収書の偽造や協賛金の収入を意図的に過少申告する不正行為です。

この行為により、補助金の返金が請求され、違約金を合わせた返金額は24,000,000円と、大きな損害を与えました。

 

補助金返還を求められた場合の対処について

このような事例は他にも多々ありますが、事業者が実際に返還を求められた場合は早急な対処が必要です。

返還に際しては加算金が求められるだけでなく、返金期限を過ぎれば延滞金まで発生します。

対処が後手後手に回れば、合計の返金額が莫大となるリスクがあるので、注意しましょう。

 

なお、例外的に以下のような場合には返還の必要がない例もあります。

・「やむを得ない理由」により、補助金を本来の目的外に使用した
・社会情勢の急激な変化などによって経営が困難となり、財産を処分した

 

自社の置かれた状況をよく分析し、対応することがポイントです。

 

根拠法(罰則規定)

補助金申請にあたり、不正や違反があった場合には、上述した事例などから明らかなように、交付の取り消しのほかにも罰金や実刑の対象となります。

具体的な罰則については同法第29条~第33条により規定されています。

事業者は、補助金を申請する際には公募要領や規定などを十分に理解し、確認した上で、不正な申請や受給を行わないことがポイントです。

 

罰則など

具体的な罰則規定は次のとおりです。

 

・偽(いつわ)りや不正によって補助金の交付を受けた場合には、5年以下の懲役または1,000,000円以下の罰金。併科の場合もあり(第29条)
・同法第11条の規定に違反して補助金を他の用途へ転用した場合には、3年以下の懲役または500,000円以下の罰金。併科の場合もあり(第30条)
・行政からの命令違反や、成果報酬を実施しない、または虚偽報告などの場合には、30,000円以下の罰金(第31条)

 

罰則を受けた際の影響

補助金を不正に受給した罰則内容は、申請を行わずに使用目的を変更した場合よりも厳しいです。

その上、場合によっては違反した事業者の社名を公開されることすらあります。また、刑法に抵触した場合には刑事告発されることも多く、最悪の場合には逮捕や起訴に至ることも珍しくありません。

成果報告を行わなかった場合や、虚偽報告、さらには検査拒否など、妨害を行った場合には上述のとおり30,000円以下の罰金が課せられます。

法人の場合には会社が罰則の対象ですが、公共団体の場合には団体としてではなく、当該団体の長もしくは個人へ罰則が適用されるので、社会的地位が抹殺されます。

 

このように、補助金を不正に運用すると大きな影響を蒙り、場合によっては事業自体が継続できなくなるリスクがあるので、決して違反等を行わないよう十分留意することが重要です。

 

まとめ

補助金適正化法の目的・背景と概要、補助金返還の具体例や罰則などについて解説しました。

 

この記事を読んで、各種補助金に応募を検討している・あるいは既に応募した事業者は、内容を十分に理解し、不正等のないよう十分留意し、適正な活用にお役立てください。