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日本の技術が光る工芸品

日本には古くから伝わる伝統工芸品から、海外から渡ってきたものをアレンジしたもの、独自の技術とアイディアで創り出されたものなど、さまざまな工芸品が存在しています。

 

また、日本の風土だからこそ生まれたもの、文化を継承していく中で出来上がったものもあります。職人や製造に関わる人々が、確かな技術と良いモノを見極める目、さらに新しさを求め続ける姿勢を持っていることで、いつまでも受け継がれ、愛され続ける製品となっていくのではないかと感じています。

 

私が素晴らしいと感じた工芸品と、その魅力を存分にアピールするWebサイトをご紹介します。

 

 

・「柴田慶信商店」の曲げわっぱ

https://magewappa.com/

住所:秋田県大館市御成町2-15-28

 

曲げわっぱといえば秋田県大館市が有名ですが、「柴田慶信商店」は、中でも歴史を持つ名店です。

 

HPを開くと、まず大館市の工房で職人が丁寧に曲げわっぱを作り上げていく様子を見ることができます。昔ながらの道具を使い、力加減に気を配りながら一つ一つ丹念に仕上げていく瞬間を垣間見ることができ、細やかな手仕事によって完成するものの価値を考えさせられます。

 

スクロールしていくと、商品一覧とともに、曲げわっぱを使った料理が写真で紹介されています。曲げわっぱというと、まるで昔話に出てくるような古典的なお弁当箱のイメージがあるかもしれません。

しかし、こちらで紹介されている写真からは「こんな使い方をしてみたい」と感じられるような斬新な組み合わせで、食材の魅力を引き出しています。

古くからあるものを「古いもの」にはしないという作り手の意志が伝わります。

 

また、大館曲げわっぱの歴史や原材料となっている白木について詳しい解説のページも。解説の文章は写真とともに読みやすく章立てされており、全て英訳されています。日本が誇る伝統工芸であるという自負があり、常に世界に目を向けているのでしょう。

 

天然杉といった自然から生み出されたものを相手にするには、きめ細やかな心配りが何重にも求められ、思い通りにならないこともあるかもしれません。

だからこそ、詰まった食材は生き生きとするうえに、使う人の丁寧な暮らしぶりまで連想させるような魅力を持つ製品だと思います。

 

 

・「開化堂」の茶筒

https://www.kaikado.jp/japanese/

住所:京都市下京区河原町六条東入梅湊町84-1

 

京都市にある「開化堂」は茶筒で有名。明治8年(1875年)に創業した老舗です。

 

100年以上前から変わらぬ手法で手作りされており、飽きが来ないシンプルなデザインは、変わらない形でそのまま受け継がれています。

 

茶筒の蓋を合わせて手を離すと、ゆっくりと静かに閉じていくのが特徴。この時に筒の中の空気が外へ出ていくため、高い気密性が保たれるのだそうです。

 

また、こちらの製品は歪みなどが生じた場合にも、修理して使い続けることができるのです。そのため、二世代、三世代と使う人が引き継がれていくこともあるのだとか。

 

素材はブリキ、真鍮、銅から選ぶことができ、それぞれ使い始める時の色が違うだけでなく、年数が経つにつれ風合いが変わってきます。10年、20年、30年…と使い続けるほどに、全く別のものに見えるほど色や質感の見え方が変化するのです。一つのものを永く大切に持ち続けたい人にとっては、この変化も楽しみの一つになるでしょう。

 

気密性に優れていることで、茶葉だけでなく、コーヒー豆やナッツ、パスタといった食品の保存にも適しており、その用途に合わせたサイズの製品も作られています。

 

HPは、こちらの茶筒を表すかのように、一見簡素で無駄を削ぎ落とされたデザイン。しかし茶筒の持つ魅力が最大限に生かされる、研ぎ澄まされた洗練さがあります。愛され続ける名品を掲げている、という作り手の自信が感じられます。

 

 

・「大成紙器製作所」の紙器具 

https://www.taisei-shiki.jp

住所:大阪府東大阪市高井田西1丁目3-22 

 

大阪を拠点として紙製品を中心に印刷、加工の技術を持つ「TAISEI株式会社」が立ち上げたブランド、「大成紙器製作所」。そこで提案されているのが「紙器具(しきぐ)」です。

 

その名の通り、紙を加工して作られたトレイやシェルフなどの製品を作っています。

 

一般的な紙製品には、「使いすて」「強度が足りない」といった印象があるかもしれません。ですが、こちらのプロダクトは、世界トップレベルの紙加工技術を用いて作られています。切れ目の入れ方や折りの角度など、細部にまで目を行き届かせて、使いやすく強度もある製品に仕上げています。

 

また、上質な紙の質感や優しい配色で、他にはない温かみのある美しいデザインとなっています。

 

日本には、折り紙を折って紙に命を吹き込んだり、贈り物や手紙を渡す時には上質な紙を使うことで相手を大切に思う気持ちを込めたりと、もともと「紙」を単なる消耗品ではなく、価値の高いものとして扱う文化がありました。

 

越前和紙などが伝統工芸品として高い格式を持っているように、紙に対するリスペクトが根底にあるのでしょう。

 

他の素材で作られることが多い製品を、あえて紙で作りあげ、暮らしの中でその価値や文化を再認識できるという意味合いも込められているところに、作り手のポリシーが感じられます。

 

これらの工芸品をPRするWebサイトでは、いずれも新しい使い方の提案をしています。古くからある物には、役割の固定概念を持ってしまいがちです。しかし製作する人々からの発信によって新たな価値が生まれ、技術や文化が次世代へと受け継がれていく様子が感じ取れました。

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