法人向けAI設備管理・予知保全システム比較|特徴や選び方をわかりやすく解説

工場や製造現場では、設備の故障やトラブルを防ぐために日々の点検やメンテナンスが欠かせません。しかし、設備の老朽化や保全担当者の不足により、従来の巡回点検だけでは管理が難しくなっている企業もあります。
そこで注目されているのが、AIやIoTを活用した設備管理・予知保全システムです。設備の状態や保全情報をデータとして管理・分析することで、点検業務の効率化や異常の早期発見、設備停止リスクの低減などにつなげられます。
この記事では、法人向けAI設備管理・予知保全システムの仕組みやメリット、選び方とともに、企業向けに提供されている10のサービスを紹介します。
目次
法人向けAI設備管理・予知保全システムとは
法人向けAI設備管理・予知保全システムとは、工場などの設備に関する情報を収集・管理し、AIやIoTなどを活用して保全業務を支援するシステムです。
設備保全の3つの方式
対応が遅い
事後保全
故障してから修理
設備が故障・停止した後に、修理や部品交換を行う方式。突発的な生産停止のリスクがある。
定期対応
予防保全
期間・稼働時間で点検
一定の期間や稼働時間を基準に、あらかじめ点検や部品交換を実施する方式。
先回り対応
予知保全
状態から兆候を検知
振動・温度・電流などのデータをAIで分析し、故障の兆候を捉えて事前にメンテナンスする方式。
対応が後手に回りやすい
異常を先回りして把握できる
設備保全には、故障してから修理する「事後保全」、一定期間や稼働時間を基準として点検や部品交換を行う「予防保全」、設備の状態から故障の兆候を捉えてメンテナンスする「予知保全」などがあります。
予知保全では、振動、温度、電流、音など設備から得られるデータを継続的に確認します。AIを利用して通常時との違いや変化を分析することで、人だけでは気付きにくい異常の兆候を発見できる可能性があります。
一方、設備管理システムには、設備台帳や点検履歴、修理記録などの情報を一元管理するものもあります。そのため、システムを選ぶ際には、異常検知を目的とするのか、保全業務全体を効率化したいのかを明確にすることが重要です。
AI設備管理・予知保全システムが注目される背景
製造業では設備の老朽化に加えて、設備保全を担う人材の不足や技術継承が課題となっています。従来の設備保全では、担当者が現場を巡回し、機械の音や振動、計器などを確認する方法が広く行われてきました。しかし、設備が増えるほど点検に必要な時間も増加します。
また、設備のわずかな変化から異常を判断するには、ベテラン担当者の経験が必要になることもあります。設備情報や保全ノウハウをデータとして残して共有できれば、「あの人しか分からない」という状況を減らしながら設備管理を進めやすくなります。
AIやIoTを利用した設備管理・予知保全システムは、そのための選択肢のひとつです。
AI設備管理システムとAI予知保全システムの違い
AI設備管理システムとAI予知保全システムは、どちらも設備保全の効率化に活用できますが、主な目的が異なります。
AI設備管理システムは、設備台帳や点検記録、修理履歴などの情報を一元管理し、日々の設備管理や保全業務を効率化することが主な目的です。AIを活用して、蓄積されたマニュアルや保全情報の検索、作業支援などを行えるサービスもあります。
一方、AI予知保全システムは、設備から取得する振動や温度などのデータをAIや機械学習で分析し、異常や故障につながる兆候を早期に捉えることを主な目的としています。
それぞれの特徴を比較すると、以下のようになります。
AI設備管理システムとAI予知保全システムの違い
主な目的
設備管理・保全業務の効率化
作業の効率化
管理業務の負担軽減
設備の異常や故障の兆候を早期に把握
故障の未然防止
安定稼働の実現
主な管理対象
設備台帳、点検記録、修理履歴、作業計画、マニュアルなど
設備の基本情報や履歴などのデータ
振動、温度、電流、圧力、音などの設備データ
センサーや計測データ
AIの主な役割
保全情報の検索・整理、作業支援、情報活用など
必要な情報をすばやく見つける
センサーデータの分析、異常検知、故障兆候の把握など
異常の予測・アラートの発信
主な機能
設備台帳管理、点検管理、保全計画、作業記録、情報共有
管理・記録・共有を一元化
状態監視、異常検知、データ分析、アラート、傾向監視
故障の予兆をいち早く発見
解決しやすい課題
紙やExcelによる管理、情報の分散、保全業務の属人化
情報の見える化・標準化
突発的な設備故障、過剰な定期保全、異常発見の遅れ
予防保全でダウンタイムを削減
導入に適した企業
設備情報や保全業務を一元管理したい企業
保全業務の効率化を目指す企業
設備停止による影響が大きく、故障を早期に把握したい企業
生産ラインや重要設備を持つ企業
設備情報が紙やExcelに分散している、点検・修理の履歴を共有できていないといった課題には、AI設備管理システムが適しています。
一方、突発的な故障による生産停止を減らしたい、設備の状態に合わせてメンテナンスしたい場合は、AI予知保全システムが候補になります。
なお、両者は明確に分離されるものではありません。設備管理と状態監視の両方に対応するサービスもあるため、分類だけで判断せず、自社が解決したい課題と各サービスの機能を比較することが大切です。
法人向けAI設備管理・予知保全システム10選
法人向けの設備管理・予知保全システムは、大きく「設備管理」と「予知保全」に分けて考えると比較しやすくなります。
設備管理は、設備情報や点検記録、保全履歴などをデジタルで管理し、点検やメンテナンス業務を効率化するためのサービスが中心です。
一方、予知保全は、設備から取得したデータをAIなどで分析し、異常や故障につながる兆候を早期に発見することを目的としています。
ここでは、10サービスを主な用途別に紹介します。
| サービス | 提供会社 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| M2X | 株式会社M2X | 設備保全業務や 現場情報のデジタル化 |
| MONiPLAT | 株式会社バルカー | 設備点検・保全情報を デジタル管理 |
| EMLink | 株式会社設備保全総合研究所 | 設備管理や保守業務を デジタル技術で支援 |
| IBM Maximo Application Suite | IBM | 資産・設備管理を 包括的に支援 |
| Fixey | 株式会社FAcraft | 設備保全業務や 情報管理を効率化 |
| 設備保全AIエージェント | 株式会社Rist | AIを設備保全業務や 保全情報の活用に利用 |
| Impulse | ブレインズテクノロジー 株式会社 |
機械学習を活用した 異常検知 |
| 予知保全AI | 株式会社エイシング | AIを活用して設備の異常や 故障の兆候を検知 |
| 保全革新ソリューション | オムロン株式会社 | 設備状態の把握と 保全業務の高度化を支援 |
| CollaboViewファクトリー | SCSK株式会社 | IoTセンサーとAIで 設備異常の兆候を検知 |
AI設備管理システム6選
AI設備管理システムは、設備台帳や点検結果、保全履歴、マニュアルなど、設備に関係する情報をデジタル化して活用するためのサービスです。
紙やExcelに散らばっている設備情報をまとめたいときや、点検業務を効率化したいとき、保全ノウハウを社内で共有したいときなどに活用できます。
M2X

M2Xは、株式会社M2Xが提供する製造業向けの設備保全管理システムです。
設備保全に必要な情報をまとめて管理でき、保全計画の作成から作業記録、情報共有までをデジタル化できます。紙やExcel、担当者個人に分散しがちな情報を集約することで、設備の状態や過去の対応を確認しながら保全業務を進められます。
設備台帳を管理するだけでなく、保全計画から作業記録まで一連の流れに沿って情報を管理できるのが強みです。現場で蓄積した保全データを次の点検やメンテナンスにも活用し、業務の標準化や属人化の解消につなげられます。
同じく「統合管理タイプ」に分類されるIBM Maximo Application Suiteが企業全体の資産(設備以外も含む)を横断管理するのに対し、M2Xは製造業の現場保全業務にフォーカスしている点が明確な違いです。
センサーデータの分析よりも、日々の保全業務を効率よく管理したい企業に向いています。
設備台帳、保全計画、作業記録などをまとめて管理し、保全部門全体の業務改善を進めたい企業に向いています。
| システム名 | M2X |
| 提供元 | 株式会社M2X |
| 月額料金 | 要問合せ |
| タイプ | AI設備管理(統合管理) |
| 向いている企業 | 設備台帳・点検・保全履歴などをまとめて一元管理したい企業 |
MONiPLAT

MONiPLATは、株式会社バルカーが提供する設備点検プラットフォームです。製造現場で行われる日常点検などをデジタル化し、点検結果を蓄積・管理することで設備管理の効率化を支援します。
紙の点検表を利用している現場では、現場で記録した内容をパソコンへ転記したり、過去の記録をファイルから探したりする作業が必要です。MONiPLATを導入することで、点検記録の入力や管理にかかる手間を減らせます。
株式会社バルカーは、シール製品などを扱い、プラントや製造現場に関わってきた企業です。現場での日常点検を想定して作られており、20設備まで無料で利用できるのも魅力です。
M2Xが保全計画から作業記録まで保全業務全般を管理するのに対し、MONiPLATは「点検」という一つの業務に絞って深くデジタル化している点が違いです。
EMLinkのように高度なAI分析機能を持つわけではなく、まずは日々の巡回点検を紙からデジタルへ切り替えたいというシンプルなニーズに向いています。
紙による巡回点検から脱却したい企業や、点検結果を蓄積して設備管理に生かしたい企業に適しています。
| システム名 | MONiPLAT |
| 提供元 | 株式会社バルカー |
| 月額料金 | 月額15,000円/50設備〜(20設備までは無料プランあり) |
| タイプ | AI設備管理(統合管理) |
| 向いている企業 | まずは無料で状態監視と点検のデジタル化を試したい企業 |
EMLink

EMLinkは、株式会社設備保全総合研究所が提供する設備保全統合管理クラウドサービスです。
工場やインフラ設備の情報、保全履歴をクラウド上でまとめて管理できるほか、生成AI「EMLink Intelligence」機能を活用して、点検計画の作成やレポート作成を支援できる点が特徴です。
一般的な設備管理システムでは、蓄積した情報をユーザー自身が読み解いて次のアクションを決める必要があります。
EMLinkは、情報を管理するだけでなく、生成AIが分析結果をもとに計画案やレポート作成まで支援できる点が特徴です。
またモバイルアプリにローカルLLMを搭載しており、通信環境に左右されずに現場で情報を扱える点も独自の強みです。
設備台帳や保全履歴の管理にとどまらず、蓄積したデータを設備投資の意思決定やコスト最適化にまで活用したい企業に向いています。
| システム名 | EMLink |
| 提供元 | 株式会社設備保全総合研究所 |
| 月額料金 | 月額21万円/事業所〜 |
| タイプ | AI設備管理(統合管理) |
| 向いている企業 | 自然言語での指示だけで設備データを分析し、 レポート作成の手間を省きたい企業 |
IBM Maximo Application Suite

IBM Maximo Application Suiteは、IBMが提供する企業向け資産管理ソリューションです。工場設備や機械だけでなく、企業が保有するさまざまな資産について、保守、点検、作業などの情報を統合して管理できます。
大きな特徴は、設備保全だけに特化したシステムではなく、EAM(企業資産管理)の考え方に基づき、資産のライフサイクル全体を管理できることです。
設備情報や保守履歴を管理するだけでなく、作業管理や資産パフォーマンスの把握など、企業全体で設備・資産を管理するための基盤として利用できます。AIやIoTなどを組み合わせた資産管理にも対応しています。
M2X、MONiPLAT、EMLinkなど国内サービスの多くが「工場・プラント単位の保全業務改善」を主眼とするのに対し、IBM Maximo Application Suiteは複数拠点・多数の資産を横断して管理する大規模な運用を前提としている点が最大の違いです。
設備以外の資産(車両、建物、ITインフラなど)も同じ基盤で管理できる点も、国内サービスにはない特徴です。
工場単位の保全業務改善だけでなく、企業全体の設備・資産管理を統合したい場合に有力な選択肢になります。
| システム名 | IBM Maximo Application Suite |
| 提供元 | IBM |
| 月額料金 | 要問合せ |
| タイプ | AI設備管理(統合管理) |
| 向いている企業 | 複数拠点・多数の設備を抱え、資産管理まで含めて 一元化したい大企業 |
Fixey

Fixeyは、設備情報や保全に関する記録をデジタル化し、製造現場における設備管理やメンテナンス業務の効率化を支援します。
設備保全では、故障が発生した日時や原因、修理内容、交換した部品などの情報を蓄積することが重要です。こうした情報を残しておけば、同様のトラブルが発生した際に過去の対応を確認しやすくなります。
保全情報を組織内で共有しやすくなるため、担当者ごとの知識の差を減らし、業務の標準化にも役立ちます。
IBM Maximo Application Suiteのような大規模な企業資産管理とは方向性が異なり、製造現場の設備保全を起点として情報管理を改善したい企業が検討しやすい点が特徴です。
M2Xと機能領域は近いものの、Fixeyは複数拠点にまたがる保全ノウハウの横断活用に重点を置いており、拠点ごとにバラバラだった対応履歴を組織全体の知見として蓄積し直したい企業により適しています。
紙やExcelによる設備管理から段階的にデジタル化を進めたい場合にも比較候補になります。
| システム名 | Fixey |
| 提供元 | 株式会社FAcraft |
| 月額料金 | 要問合せ |
| タイプ | AI設備管理(特定業務特化) |
| 向いている企業 | 拠点ごとにバラバラな保全データを横断活用し、 ナレッジ共有を進めたい企業 |
設備保全AIエージェント

設備保全AIエージェントは、株式会社Ristが提供するAIを活用した設備保全向けサービスです。特徴は、設備情報を単に蓄積・管理するだけではなく、AIを使って保全に必要な情報やノウハウを活用することに重点を置いている点です。
設備保全の現場には、設備マニュアル、作業手順書、過去のトラブル記録、点検結果など、多くの情報があります。しかし、資料が複数の場所に保存されていると、トラブル発生時に必要な情報を探すだけでも時間がかかります。
AIが必要な情報を探しやすくすることで、トラブル対応や保全業務をスムーズに進めやすくなります。
M2XやFixeyが設備保全に関する業務・情報の「管理」を中心とするのに対し、設備保全AIエージェントは蓄積された保全情報をAIによって「活用する」というアプローチに違いがあります。
EMLinkも生成AI機能を持ちますが、EMLinkが自社の統合管理クラウド上でのAI活用を前提とするのに対し、設備保全AIエージェントは既存の設備管理システムに追加する形で導入しやすく、システムを刷新せずにAI活用だけを取り入れたい企業に向いています。
設備保全の人材不足や技術継承に課題を抱える企業が注目したいサービスです。
| システム名 | 設備保全AIエージェント |
| 提供元 | 株式会社Rist |
| 月額料金 | 要問合せ |
| タイプ | AI設備管理(特定業務特化) |
| 向いている企業 | ベテラン技術者のノウハウが属人化しており、 若手への引き継ぎを効率化したい企業 |
AI予知保全システム4選
AI予知保全システムは、設備から取得したセンサーデータなどをAIや機械学習によって分析し、異常や故障につながる兆候を捉えるためのサービスです。
設備が故障してから修理する事後保全ではなく、設備状態に応じて点検や部品交換を行いたい場合に活用できます。
設備が突然止まると生産計画にも影響するため、異常の兆候を早めに見つけたい企業に向いています。
Impulse

Impulseは、ブレインズテクノロジー株式会社が提供する異常検知ソリューションです。機械学習を利用してセンサーデータや時系列データなどを分析し、設備や製造工程に発生する異常を検知します。
製造現場では、温度や振動、圧力など大量のデータが継続的に発生します。人がすべてのデータを確認するのは難しいため、機械学習を活用して異常の兆候を見つけやすくします。
設備だけでなく製造工程などのデータ分析にも活用できるため、単純な設備台帳の管理とは異なり、大量のデータから異常を見つける分析領域に強みを持つことが特徴です。
同じ予知保全タイプの予知保全AI(エイシング)がエッジ側でのリアルタイム処理に強みを持つのに対し、Impulseはクラウド上で大量・多種のデータを組み合わせた高度な分析に強みがある点が違いです。
保全革新ソリューション(オムロン)のようにセンシング機器とセットで導入する必要がなく、既にセンサーデータを保有している企業であればソフトウェア単体で導入しやすい点も特徴です。
設備からすでにセンサーデータを収集している企業や、複数のデータを利用して異常検知の精度向上を目指したい企業に適しています。
| システム名 | Impulse |
| 提供元 | ブレインズテクノロジー株式会社 |
| 月額料金 | 要問合せ |
| タイプ | AI予知保全(様々なデータ) |
| 向いている企業 | 音声・画像・動画など多様なデータを組み合わせて 幅広い設備に予知保全を導入したい企業 |
予知保全AI

予知保全AIは、株式会社エイシングが提供するAIを活用した予知保全ソリューションです。株式会社エイシングは、端末や機器に近い環境でAI処理を行うエッジAI技術を展開しており、その技術を設備の状態監視や予知保全に活用できることが特徴です。
クラウドへすべてのデータを送信して分析する方式とは異なり、設備に近い環境でAI処理を行うことで、リアルタイム性が求められる用途への活用が考えられます。
また、通信環境やデータ量などの理由から、設備データを常にクラウドへ送信することが難しい製造現場でも、エッジ側でのAI活用は選択肢になります。
Impulseが大量のデータをクラウドに集約して分析するのに対して、予知保全AIはエッジ側(設備の近く)で処理を完結させる点が明確な違いです。通信インフラが整っていない工場や、判定結果を即座に設備制御へ反映したい用途では、Impulseよりも予知保全AIの方式が適しています。
設備データをリアルタイムに分析したい企業や、エッジ環境でAIを活用したい企業に適しています。
| システム名 | 予知保全AI |
| 提供元 | 株式会社エイシング |
| 月額料金 | 要問合せ |
| タイプ | AI予知保全(特定箇所データ) |
| 向いている企業 | クラウドを介さないエッジAIで、通信環境が整いにくい 現場でも高精度な異常検知を行いたい企業 |
保全革新ソリューション

保全革新ソリューションは、オムロン株式会社が提供する製造現場向けの設備保全ソリューションです。設備の状態を把握し、異常の兆候を捉えることで、設備保全の効率化や高度化につなげます。
オムロンは、センサーや制御機器など製造現場で使用されるFA機器を幅広く展開しています。そのため、設備状態を取得するための機器と、取得したデータの活用を組み合わせて設備保全を検討できる点が特徴です。
たとえば設備の振動や状態変化を監視し、劣化傾向を把握できれば、一定期間ごとに部品を交換する時間基準保全から、実際の設備状態を基準としてメンテナンスを行う状態基準保全へ移行しやすくなります。
Impulseやエイシングがソフトウェア(分析エンジン)を提供するのに対し、保全革新ソリューションはセンシング機器からデータ活用までを一貫して提供する点が大きな違いです。
すでに他社製のセンサーでデータを収集している企業はImpulseや予知保全AIが候補になりますが、これから状態監視を始める企業であれば、機器選定から相談できる保全革新ソリューションの方がハードルが低くなります。
設備の状態監視をこれから始めたい企業や、既存の製造設備を活用しながら予知保全・状態基準保全へ移行したい企業に適しています。
| システム名 | 保全革新ソリューション |
| 提供元 | オムロン株式会社 |
| 月額料金 | 要問合せ |
| タイプ | AI予知保全(特定箇所データ) |
| 向いている企業 | 現場の監視機器だけでデータ収集・分析・判定まで 完結でき、少ない工数・費用でスモールスタートしたい企業 |
CollaboViewファクトリー

CollaboViewファクトリーは、SCSK株式会社が提供する製造業向けのIoT・AI予知保全ソリューションです。振動センサーや微粒子センサーなどを設備や環境に設置し、取得したデータをAIが常時分析することで、設備故障や環境異常の兆候をリアルタイムに検知します。
たとえば回転系機械や圧縮系機械には振動センサーを設置して異常振動を検知し、クリーンルームなど精密な環境管理が求められる現場には微粒子センサーを設置して空気中の微粒子濃度の変動を監視するなど、現場に応じたセンシング構成を組めることが特徴です。
保全革新ソリューション(オムロン)が自社FA機器との組み合わせを前提とするのに対し、CollaboViewファクトリーはSCSKが機器の貸与まで含めてサービスとして提供するため、特殊な工事や大掛かりな設備投資をせずスモールスタートできる点が違いです。
また設備の異常検知だけでなく、作業員の所在把握や安全管理など、IoTを活用した現場管理全般へ展開しやすいことも特徴です。
設備の異常検知だけでなく、現場の環境監視や作業員の安全管理まで含めてIoT活用を進めたい企業に向いています。
| システム名 | CollaboViewファクトリー |
| 提供元 | SCSK株式会社 |
| 月額料金 | 要問合せ |
| タイプ | AI予知保全(特定箇所データ) |
| 向いている企業 | 設備の異常検知に加え、環境監視や作業員の 安全管理までIoTでまとめて進めたい企業 |
AI設備管理とAI予知保全のどちらを選ぶか
AI設備管理とAI予知保全は、解決したい課題が異なります。
AI設備管理・AI予知保全 どちらを選ぶ?
CHECK
自社の設備保全における課題は?
こんな課題がある
- 設備情報が紙やExcelに分散している
- 点検記録を効率的に管理したい
- 保全ノウハウを共有したい
こんな課題がある
- 突発的な設備の故障を減らしたい
- センサーデータから異常を発見したい
- 状態に応じてメンテナンスしたい
両方の課題がある
- 情報管理と異常検知、両方の課題を抱えている
- 重要設備は特に手厚くしたい
設備情報が紙やExcelに分散している、点検記録を効率的に管理したい、保全ノウハウを共有したいといった課題がある場合は、AI設備管理システムから検討するとよいでしょう。
一方、設備の突発的な故障を減らしたい、センサーデータから異常を発見したい、状態に応じてメンテナンスを実施したい場合は、AI予知保全システムが候補になります。
両方の課題がある場合は、設備管理システムで情報を整理しながら、重要な設備だけ予知保全を導入する方法もあります。
自社が現在抱えている設備保全の課題を整理し、必要な機能から比較することが重要です。
AI設備管理・予知保全システムを選ぶポイント
10サービスを比較すると、それぞれ得意とする領域が異なることがわかります。
設備台帳や点検履歴を管理したい場合と、センサーデータから設備異常を検知したい場合では、選ぶべきサービスが異なります。
適切なサービスを選ぶために、以下のポイントを確認しておきましょう。
導入目的に 合っているか
点検のペーパーレス化、保全情報の一元管理、異常の早期検知、工場全体のIoT化など、何を改善したいのかを最初に明確にする。
AIやIoTを どこまで利用するか
センサーデータを機械学習で分析するのか、生成AIを情報検索や判断支援に使うのか、IoTでデータ収集のみ行うのか、活用範囲を確認する。
既存設備に 導入できるか
追加センサーの設置が必要か、既存システムと連携できるか、導入時に設備を停止する必要があるかなど、稼働年数の長い設備でも確認する。
サポート体制を 確認する
導入支援だけでなく、運用開始後のデータ蓄積や継続的な改善まで伴走してもらえるか、サポート範囲を比較する。
導入目的に合っているか
最初に「何を改善するために導入するのか」を明確にしましょう。
たとえば、設備点検をペーパーレス化する、保全情報を一元化する、故障の兆候を検知する、工場全体をIoT化するといった目的が考えられます。
目的を整理してからサービスを比較すると、必要以上に多機能なシステムを導入することを防げます。
AIやIoTをどこまで利用するか
AI設備管理・予知保全システムと呼ばれるサービスでも、AIの利用方法には違いがあります。センサーデータを機械学習で分析するサービスもあれば、生成AIを情報検索や保全ノウハウの活用に利用するものもあります。
また、IoTプラットフォームを利用して設備データを収集し、別の分析システムと組み合わせる方法もあります。
自社が求めているAI活用の範囲を確認しておきましょう。
既存設備に導入できるか
既存設備をどの程度そのまま利用できるかも重要です。特に稼働年数の長い工場では、設備によってデータを取得できる範囲が異なります。
追加センサーの設置が必要なのか、既存システムと連携できるのか、導入時に設備を停止する必要があるのかなどを確認しましょう。
サポート体制を確認する
設備管理システムは、導入しただけでは十分な効果を得られない場合があります。現場での運用方法を決め、必要なデータを蓄積し、継続的に改善することが重要です。
特にAIによる異常検知やIoT環境を構築する場合は、導入支援だけでなく、運用開始後のサポート範囲も比較しましょう。
AI設備管理・予知保全システムを導入するメリット
AI設備管理・予知保全システムを活用することで、設備保全に関する情報を蓄積し、現場で共有しやすくなります。
さらに、センサーデータなどを利用するサービスでは、設備の変化を継続的に監視し、異常の早期発見につなげることも可能です。設備トラブルを事前に把握できれば、突然の生産停止を避けるための点検や修理を計画しやすくなります。
点検記録や過去の対応履歴を蓄積することで、担当者ごとの経験や勘に頼りすぎない設備管理を進めやすくなります。
自社の設備管理に必要な機能から比較しよう
法人向けAI設備管理・予知保全システムには、設備台帳や点検業務を管理するサービス、機械学習によって異常を検知するサービス、生成AIを活用するサービス、工場全体のIoT化を支援するプラットフォームなどがあります。
そのため、サービス名やAI機能だけを比較して選ぶのではなく、現在の設備保全にどのような課題があるのかを明確にすることが重要です。
設備点検を効率化したいのか、保全情報をまとめて管理したいのか、それとも異常の兆候を早めに把握したいのかによって選ぶべきサービスは変わります。
そのうえで、対象設備や必要な機能、既存設備との連携方法、サポート体制などを比較しながら、自社に合ったサービスを選びましょう。
Recommend
おすすめ記事
New Topics
新着記事






